...「まさか剣術じゃあるまいな...
泉鏡花 「薄紅梅」
...」「まさか、巻込まれたのなら知らないこと――お婿さんをとるのに、間違ったら、高島田に結(い)おうという娘の癖に...
泉鏡花 「貝の穴に河童の居る事」
...これはおれの主義だ――まさかの時の爲めに...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...「まさか、あの空家に幽霊が出るという訳ではありますまいね」林が冗談らしく笑うと、博士は案外真面目な顔で、「ウン、幽霊が出てくれるといいんだがね...
江戸川乱歩 「悪魔の紋章」
...まさか死刑になることはあるまいが...
江戸川乱歩 「月と手袋」
...まさか私からと言って借金を申込んだんじゃないでしょうね?」「ふむ……妙な御質問だね……」とマリ・デルは機嫌を損ねた...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「マリ・デル」
...まさか先生のしゃべりもしないことを書き立てはしないですもの...
徳田秋声 「仮装人物」
...まさかこんな処へ来ていようとは思わないしさ...
徳田秋声 「縮図」
...まさかがんりきの百蔵のような男を...
中里介山 「大菩薩峠」
...「まさか時代違いではございますまい...
中里介山 「大菩薩峠」
...まさか私を裸にする積りじゃ無いだろうね」細帯一つになった女優は...
野村胡堂 「踊る美人像」
...「やっぱり過ちだったでしょうか、旦那」「まさか、あんな子供を、井戸の中へ抛(ほう)り込むような非道な人間はいないだろう」「一応そうお思いになるのも尤(もっと)もですが、いろいろ腑(ふ)に落ちないことがありますよ」万兵衛は深く暗い緘黙(かんもく)に陥(お)ちます...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...まさか裸(はだか)では投り出されまい...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...ところで、これも人から聞きました話で、あてにはなりませんが、あなたはまた、ずっと小さなけもの、たとえばねずみなら、はつかねずみのような小ねずみなんかにでも、なろうとおもえばおなりになれるということですが、まさかねえ、こればかりは、とても信じられませんが...
ペロー Perrault 楠山正雄訳 「猫吉親方」
...まさかその余韻が斯んなにはつきりと残つてゐるとも思はれなかつた...
牧野信一 「書斎を棄てゝ」
...たまさか団蔵がかへつて来て仁木を演つたり...
正岡容 「下町歳事記」
...当時の藩主は文久元年に伊予守正教(まさのり)の後(のち)を承(う)けた阿部(あべ)主計頭(かぞえのかみ)正方(まさかた)であった...
森鴎外 「渋江抽斎」
...あなたはわが子を、まさか生涯、山家の炭焼や猪追(ししお)いにしておく気ではあるまいが...
吉川英治 「新書太閤記」
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