...だれもいないんですよ」「まさかネ」三人は...
海野十三 「火薬船」
...まさか妻君が、それを同時にのむとは考えていなかったのである...
海野十三 「空気男」
...いや、まさか、そんな馬鹿なことが……」自分の考えを自分で、うち消すようにつぶやいた時である...
海野十三 「太平洋魔城」
...或いは四月に御ところの御部屋の丸柱から、ひこばえが萌え出て、小さい白い花が咲いたり、或いは十月、鶴岳上宮に幾千万とも知れぬ羽蟻の大群が襲来したり、或いは歳末、鎌倉中の道路が異様の響きで鳴り出したり、この建暦二年といふとしは御ところ太平とは申しながら、その底には、どこやら、やつぱり不吉な鬼気がただよひ、おそろしい天災地変でも起るのではなからうかと、ひそかに懸念してゐた苦労性の人も無いわけではなかつたのでございますが、まさか、あの和田さまが...
太宰治 「右大臣実朝」
...少年の頃、夢に見ていた作家とは、まさか、こんなものではありませんでした...
太宰治 「風の便り」
...でも、北さんだって、まさか、――」「いや、だから、北さんに相談してみるというのです...
太宰治 「故郷」
...林檎なんてのは、明治初年にアメリカ人から種をもらつて試植し、それから明治二十年代に到つてフランスの宣教師からフランス流の剪定法を教はつて、俄然、成績を挙げ、それから地方の人たちもこの林檎栽培にむきになりはじめて、青森名産として全国に知られたのは、大正にはひつてからの事で、まさか、東京の雷おこし、桑名の焼はまぐりほど軽薄な「産物」でも無いが、紀州の蜜柑などに較べると、はるかに歴史は浅いのである...
太宰治 「津軽」
...でも、「惚れられる」というような野卑な言葉に依って生じるやにさがった雰囲気(ふんいき)に対して、そう言われると、思い当るところもある、などと書くのは、ほとんど落語の若旦那のせりふにさえならぬくらい、おろかしい感懐を示すようなもので、まさか、自分は、そんなふざけた、やにさがった気持で、「思い当るところもあった」わけでは無いのです...
太宰治 「人間失格」
...まさか亭主が庖丁(ほうちょう)を持つのを見てゐる訳に行かないから...
谷崎潤一郎 「猫と庄造と二人のをんな」
...まさか、おまえもお茶ばかりで生きてるわけでもあるまいからね」と弟をつかまえたことに、ひどく満足したらしい様子でイワンが言った...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...気にかかるゆえ――真逆(まさか)...
直木三十五 「南国太平記」
...まさかそこへは打つまいと思って...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...まさかプーンと來る程でもないが...
濱田耕作 「異國さかな雜談」
...」「まさかそんなことはないわよ...
正宗白鳥 「假面」
...二階へ引込んでおしまいなすったのです」「それは林伯父さんの手紙ではありませんか」「真逆(まさか)そんな事はないわ...
松本泰 「P丘の殺人事件」
...そんなものがたまさか...
宮島資夫 「四谷、赤坂」
...まさかと、初めは信じられなかった...
山本周五郎 「季節のない街」
...まさか泥坊(どろぼう)をしに庭の塀を攀(よ)じ登っているのではあるまい...
ルナアル Jules Renard 岸田国士訳 「にんじん」
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