...彼は懐中を探(さぐ)って蟇口(がまぐち)を取りだした...
有島武郎 「星座」
...紐(ひも)のついた大蝦蟇口(おおがまぐち)を溢出(はみだ)させて...
泉鏡花 「怨霊借用」
...濱口内閣(はまぐちないかく)の出來(でき)る以前(いぜん)に左樣(さやう)なことが出來(でき)たらうか...
井上準之助 「金解禁前後の經濟事情」
...ちよツと見榮(みば)えのする家で――間口(まぐち)一間の玄關の...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...やはり黒ずんだ間口(まぐち)十間ほどもある古風の料亭である...
太宰治 「新樹の言葉」
...勘定(かんじょう)は蟇口(がまぐち)から銀貨や銅貨をじゃらつかせながら小畑がした...
田山花袋 「田舎教師」
...多分のお賽銭(さいせん)をお島の小さい蟇口(がまぐち)に入れてくれた...
徳田秋声 「あらくれ」
...男持の大振りな蟇口(がまぐち)――しかし飯を食べながら話していると...
徳田秋声 「仮装人物」
...ちょろけんの蟇口型(がまぐちがた)の丸いオペラバックを提(さ)げ...
徳田秋声 「縮図」
...表附(おもてつき)は四間間口(しけんまぐち)の中央に弧形(ゆみなり)の広い出入口を設け...
永井荷風 「つゆのあとさき」
...銀貨入の蟇口(がまぐち)を出して...
夏目漱石 「門」
...山口昇(やまぐちのぼる)といふ裁判官(さいばんくわん)の妻(つま)として...
樋口一葉 「この子」
...今朝(けさ)はその残金が十五銭だけ私の蟇口(がまぐち)の中に残っていたのでした」「人間というものはどんなことがあっても餓死するものではない...
平林初之輔 「悪魔の聖壇」
...がまぐちや財布(さいふ)などのまだ普及せぬ以前...
柳田国男 「海上の道」
...香和堂は三間(げん)まぐちで...
山本周五郎 「さぶ」
...両隣りとソックリの貸事務所になっている北向きの二間半間口(まぐち)で...
夢野久作 「鉄鎚」
...蟇口(がまぐち)」「お金もないくせに」「いいのよう」「ホホホ...
吉川英治 「かんかん虫は唄う」
...是非ともさしかかる八(や)ツ山口(やまぐち)か高輪(たかなわ)の浦あたり――...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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