...それでも喬生はぽつねんと立っていた...
田中貢太郎 「牡丹燈籠 牡丹燈記」
...平太郎は行灯の前に一人ぽつねんと坐って前夜のことを考えていた...
田中貢太郎 「魔王物語」
...まるでいつか母親のお葬式がすんだ晩そっくりの寂しさを感じながらぽつねんと坐っている光景が眼に浮んで来るのであった...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「頸の上のアンナ」
...独りぽつねんと長火鉢(ながひばち)の前に坐っている彼女にいわれ...
徳田秋声 「縮図」
...彼は八畳の座敷に一人ぽつねんとしていたが...
豊島与志雄 「人間繁栄」
...看護婦が一人ぽつねんと炬燵にあたっていた...
豊島与志雄 「二つの途」
...庄次は血を吸ひに集つて來る蚊を避けて古びた蚊帳の中にぽつねんとして居ました...
長塚節 「白瓜と青瓜」
...テワスは独りぽつねんといつまでも夫の帰りをまっていたが無駄であった...
中村地平 「霧の蕃社」
...機械は今でも古さびた姿でぽつねんと佇んでいるが...
中村地平 「南方郵信」
...長火鉢の側(そば)で徒然(ぽつねん)としていると...
二葉亭四迷 「平凡」
...高氏は、公式の大紋烏帽子(だいもんえぼし)すがたを、ぽつねんと、ひとりそこにおかれたままでいた...
吉川英治 「私本太平記」
...織田信秀(おだのぶひで)や、三河の松平や、駿府の今川家などの、勃興勢力(ぼっこうせいりょく)のなかに挟まれて、ぽつねんと、島のような存在でありながら、そのどれからも併呑(へいどん)をまぬがれて、蜂須賀党が蜂須賀党として、土豪ながらも四隣に屈せずにいられるのは、遠く、稲葉山の居城から、斎藤道三秀龍(どうさんひでたつ)というものの睨みがきいているお蔭でもあった...
吉川英治 「新書太閤記」
...一室にぽつねんと置かれていた...
吉川英治 「新書太閤記」
...――それが群をなして、ただ一人の惰眠児(だみんじ)が醒(さ)めるのを、ぽつねんと、することもなく毛氈(もうせん)や床几(しょうぎ)にならんで待っていた...
吉川英治 「新書太閤記」
...ぽつねんと坐っていた...
吉川英治 「新書太閤記」
...その平野の湾のまん中にぽつねんと高松の城は...
吉川英治 「新書太閤記」
...彼女のぽつねんとしている姿を見ると...
吉川英治 「源頼朝」
...ぽつねんと俯向(うつむ)いて坐っていた...
吉川英治 「宮本武蔵」
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