...おくみはおかみさんがぽつねんとかけてゐられる椅子のところに彳(たゝず)みながら...
鈴木三重吉 「桑の実」
...従つて二人が船の中にぽつねんとして坐つて...
田山録弥 「ある日」
...うつむいたままぽつねんと坐っていた...
徳田秋声 「新世帯」
...彼は静寂のうちにただ一人ぽつねんとしてる自分を見出した...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...そこの寂しい長椅子にぽつねんと腰を下して...
豊島与志雄 「慾」
...ぽつねんと独(ひと)りぼッちで離れているのは...
夏目漱石 「坑夫」
...ぽつねんと膝(ひざ)を抱(かゝ)へて柱に倚(よ)り懸(かゝ)つてゐた門野(かどの)は...
夏目漱石 「それから」
...ぽつねんと掛けているうちに...
久生十蘭 「我が家の楽園」
...彼は自分の室にぽつねんと坐つて...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...長火鉢の側(そば)で徒然(ぽつねん)としていると...
二葉亭四迷 「平凡」
...ぽつねんと三十分の上も待たされた...
牧野信一 「蝉」
...ぽつねんと壁際に坐っているのを...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「トニオ・クレエゲル」
...霊魂には片隅に引込んだり・独りぽつねんと構えたり・肉体を無視したり・放棄したり・なぞするように命じないで(それにそんなことをいったって...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...ぽつねん孤坐していた高氏の影だけが...
吉川英治 「私本太平記」
...――それが群をなして、ただ一人の惰眠児(だみんじ)が醒(さ)めるのを、ぽつねんと、することもなく毛氈(もうせん)や床几(しょうぎ)にならんで待っていた...
吉川英治 「新書太閤記」
...ちょうど浮御堂(うきみどう)のように木の間の中にぽつねんと建っているが...
吉川英治 「梅里先生行状記」
...ぽつねんとこの雰囲気(ふんいき)から遊離していた...
吉川英治 「宮本武蔵」
...ぽつねんとあるだけで...
吉川英治 「宮本武蔵」
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