...と、その拍子に、例の素焼の瓶の方で、ぽちやりと、何か酒の中へ落ちるやうな音がした...
芥川龍之介 「酒虫」
...ぽちゃりぽちゃりと落(お)ちはじめた...
伊藤左千夫 「告げ人」
...お志万は丸ぽちゃの色白の娘で和服好み...
海野十三 「奇賊悲願」
...死体の袂(たもと)の中から出てきました」第二の犠牲者二ツ木兼子は二十歳あまりの和服すがたの丸ぽちゃ美人だった...
海野十三 「省線電車の射撃手」
...少くともそれまではこれッぽちの怨みッこもない間柄ですから...
大阪圭吉 「あやつり裁判」
...そのために御夫婦の間で口争いなぞこれっぽちも...
大阪圭吉 「幽霊妻」
...見るからに小柄な貧弱きはまる痩せつぽちだが...
田畑修一郎 「医師高間房一氏」
...お国さんはまた家の者が自分のことを痩つぽちだのかがんぼだのといふといつてこぼしたが私もみんなに章魚坊主といはれるのがくやしかつたので心からお友達の身のうへに同情した...
中勘助 「銀の匙」
...彼(かれ)は殆(ほと)んど動(うご)かぬやうにして棄(す)てゝ置(お)けばすつと深(ふか)く沈(しづ)んで畢(しま)つたやうに冷(さ)めて行(ゆ)く火(ひ)へぽちり/\と麁朶(そだ)を足(た)して居(ゐ)た...
長塚節 「土」
......
野口雨情 「朝おき雀」
...小娘らしい丸ぽちゃの顔が素晴らしい魅力で...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...であるが、男主人公は兎に角も社会の上流に在る人であるから、如何に眼の前に、たよりなき美人が兄と親しみ、相談柱として、日々接近するといつて、其様(さう)手軽く恋愛が成り立つものでない、其れが自分のヤマで、此の男主人公と、其の夫人――常に基督(キリスト)の教訓を真向に翳(かざ)して、博愛事業に関係してゐる、先づ世間の眼からは賢夫人とも呼ばるべき令閨(さいくん)との間は、世間の眼には如何でもなく、寧(むし)ろ世間体(せけんてい)は至極平和な家庭であるが、此の令閨が理想に勝つてゐる丈け其れ丈け那処(どこ)か情愛が欠けてゐるので、男主人公の大学教授は、自分にも意識しないが、日頃何んだか不満足を覚えて居る、といつて令閨に那処か欠点ありといふでもないが、何んだか不満足を覚えてゐる最先(やさき)、丸ぽちやの、あどけない二十三四の美人が、妻を姉と重んじ、自己(おのれ)を兄と親んで日々遣つて来て、やくたいもない心配事を苦にして縋(すが)るので、賢人顔してゐる細君に比ぶれば肩が張らず、気もすつくり合つて、遂に常道を失するやうに為る、といふ径路(みちゆき)であるが、此の夫婦の間を書くのが、双方教育ある人物である丈け、実に困難至極...
二葉亭四迷 「未亡人と人道問題」
...「痩ツぽちの人に限つて...
牧野信一 「秋・二日の話」
...夫々一丈程の長さもあらうか! 最も痩つぽちな大人国の住人だ...
牧野信一 「センチメンタル・ドライヴ」
...ぽちゃぽちゃとかわいらしく太った男の子...
マロ Malot 楠山正雄訳 「家なき子」
...それどころかわたしはちっぽけで、やせっぽちで、そのうえひどくやつれた心配そうな顔をしていたにちがいなかった...
マロ Malot 楠山正雄訳 「家なき子」
...これっぽちのお金しかないのに物価は高い...
宮本百合子 「幸福の建設」
...色の浅黒い痩(やせ)つぽちの小花より女は遙(はるか)兼ちやんが上だ...
森鴎外 「そめちがへ」
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