...その時、ぽかんと起きた、茶店の女のどろんとした顔にも、斉(ひと)しく即効紙(そっこうし)がはってある...
泉鏡花 「瓜の涙」
...お鳥が今の縁切り状を受け取つてその大きな口――よくあまえても憎まれ口を云つたその口――をぽかんとあけてるのを空(くう)にゑがいて見詰めてゐた...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...もう片方の手と足と目はぽかんとしてゐるといつた具合に...
立原道造 「夜に就て」
...私はぽかんとしてあるだけの酒を飲む...
種田山頭火 「行乞記」
...小生はぽかんと立つてぬつと両手を出して居れば...
徳富盧花 「燕尾服着初の記」
...おけら左官が 左官が蔵建てたおけらが三匹出て啼いた大工が 大工が家建てたお月さん ぽかんと眺めてる...
野口雨情 「別後」
...ぽかんと口をあけたまま...
火野葦平 「人魚」
...瞬時、ぽかんとなった...
火野葦平 「花と龍」
...ぽかんとなっていた...
火野葦平 「花と龍」
...ぽかんとなるような気持だった...
火野葦平 「花と龍」
...レスブリッジはぽかんとするばかり...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「黄金薔薇」
...ぽかんとしてゐた私に...
牧野信一 「毒気」
...わたしは意識しないでぽかんとしてゐる時間の己れを割合に好んでゐた...
室生犀星 「故郷を辞す」
...ぽかんとあいた厚い唇の端から...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...夢を見て覚めた瞬間はどんな英雄豪傑でもぽかんとしている...
夢野久作 「暗黒公使」
...張松は、ぽかんと、見送っていた...
吉川英治 「三国志」
...「義昭どのは、その後、どこに何をしておられるか?」調べさせてみると、亡命からまた亡命をやって、時代の外へ、ぽかんと、置き忘れられていたこの人物は、依然達者で、今では西国の毛利家に寄食し、頭をまろめて、名も入道昌山(にゅうどうしょうざん)といっていることが分った...
吉川英治 「新書太閤記」
...ぽかんとしているつもりだから」「心得ました...
吉川英治 「源頼朝」
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