...「この岡さんがこの寒いに手欄(てすり)からからだを乗り出してぽかんと海を見とるんです...
有島武郎 「或る女」
...只(たゞ)ぽかんと立つてゐるのを見つけた...
犬養健 「朧夜」
...ぽかんとしたような...
壺井栄 「大根の葉」
...フォーシュルヴァンはぽかんとしてしまった...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...或時宗助がぽかんとして...
夏目漱石 「門」
...ぽかんと見送つてゐた...
新美南吉 「良寛物語 手毬と鉢の子」
...ぽかんと口をあけたまま...
火野葦平 「人魚」
...口をぽかんと開けたまま...
ニコライ・ゴーゴリ 平井肇訳 「外套」
...ぽかんとあいている天井のない窓のところに空はひとしお青く見えている...
宮本百合子 「女靴の跡」
...べつにぽかんとしている訳じゃない...
室生犀星 「蜜のあわれ」
...あっしは甲州路からはいって来たんですが、信玄の隠し湯からずっとこっちで、変な方角へ踏み込みましてね、どこへ向いてもこの通りの山、今日で十日も道に迷っているんですが……」と、腰をかがめて訊ねましたものの、相手に一向感応がなく、ぽかんとして、無表情に、いつまでそういう自分を見つめているのに間拍子を失って、「ヘヘヘヘ……」と意味もなく笑って見せました...
吉川英治 「江戸三国志」
...ぽかんと眸をうつろに天へ向けていた...
吉川英治 「黒田如水」
...ぽかんと眼をあいて...
吉川英治 「神州天馬侠」
...智深はぽかんと麓(ふもと)の空を眺めやっていたが...
吉川英治 「新・水滸伝」
...時々、淋しそうに、ぽかんとした...
吉川英治 「松のや露八」
...ぽかんと口を開(あ)いて...
吉川英治 「牢獄の花嫁」
...ぽかんとした鷺太郎が...
蘭郁二郎 「鱗粉」
...釘づけみたいに、そこへ立ったまま、アガアトは、ぽかんとして、五斤かかる花輪形パンをお腹(なか)の上に抱え、浮袋会社の蝋細工看板(ろうざいくかんばん)そっくりである...
ルナアル Jules Renard 岸田国士訳 「にんじん」
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