...ぼんやりと部屋に帰った久助はぼんやりと朋輩の行李(こうり)を開けていた...
池谷信三郎 「忠僕」
...雀色時(すゞめいろどき)などといふ一日(いちにち)の内(うち)人間(にんげん)の影法師(かげぼふし)が一番(いちばん)ぼんやりとする時(とき)で...
泉鏡花 「怪談女の輪」
...ぼんやりとしか見えませんが...
江戸川乱歩 「黄金豹」
...それが私の視野の片隅にぼんやりと大きくはひつて來ると...
太宰治 「思ひ出」
...頬の肉にだらりとした曲線を描きながらぼんやりと暖爐の火を見詰めてゐる義男の身體を...
田村俊子 「木乃伊の口紅」
...ぼんやりと夕焼けの雲を見ているのを見たこともあるし...
田山花袋 「田舎教師」
...いつもよりは稍明るいのであるから一日は降らないかも知れぬと思ひながらぼんやりと眺めて居つた...
長塚節 「栗毛虫」
...ぼんやりとした顔を見ていると...
林芙美子 「放浪記(初出)」
...生気(せいき)のない陰鬱な島の輪郭がぼんやりとあらわれだしてきた...
久生十蘭 「海豹島」
...ナターシャは、日本の港街の風景を、ぼんやりと、思い出す...
久生十蘭 「地底獣国」
...それまで一人でぼんやりと自分の窓にもたれてゐた僕が急にそんな風にきよときよととそこいらを見まはし出したので...
堀辰雄 「辛夷の花」
...ぼんやりと読めた...
堀辰雄 「旅の絵」
...さっきの阿弥陀堂(あみだどう)のほうをぼんやりと見かえしていた...
堀辰雄 「大和路・信濃路」
...私はぼんやりと今の話の続きを考へました...
牧野信一 「嘆きの孔雀」
...あれ以来はぼんやりとしておしまいになりまして...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...ぼんやりと庭をながめてゐるやうな日になることが多かつた...
室生犀星 「笛と太鼓」
...ぼんやりと天床を見あげた...
山本周五郎 「古今集巻之五」
...お蝶はぼんやりと暮の巷(ちまた)を見廻しましたが...
吉川英治 「江戸三国志」
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