...ぼんやりと見えた...
ハーバート・ジョージ・ウエルズ 海野十三訳 「透明人間」
...二少年は、あまりのふしぎさに、しばらくは、ぼんやりと、そこに立ちつくしていましたが、やがて気を取りなおすと、このことを中曾夫人に知らせるために、正面の入口へといそぐのでした...
江戸川乱歩 「仮面の恐怖王」
...洋子はぼんやりと眼を開けていた...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「深夜の客」
...私はそんなことをただぼんやりと考えておる...
高浜虚子 「俳句への道」
...妙子は幸子がしゃべっている間、放心したような眼を、ぼんやりと、つい鼻の先の畳の上に落して聴いていたが、「なあ、こいさん、それでええわな?」と、幸子が促すと、「うち、櫛田さんにこんな所(とこ)へ来て貰いとうないわ...
谷崎潤一郎 「細雪」
...ぼんやりと立って居る私の瞳は...
谷崎潤一郎 「少年」
...もうぼんやりと落掛の所から...
豊島与志雄 「都会の幽気」
...有明(ありあけ)をつけて置いた朱塗の美しい行燈(あんどん)がぼんやりと――そうして...
中里介山 「大菩薩峠」
...菜の花は斷續して其平地の限りにぼんやりと見える...
長塚節 「菜の花」
...松吉はぼんやりと...
新美南吉 「いぼ」
...おさないはらからは、手をつないで、ぼんやりと、暗くなってからやっとその家に辿(たど)りついた...
長谷川時雨 「古屋島七兵衛」
...私は暫くぼんやりとしていましたが...
浜尾四郎 「悪魔の弟子」
...ぼんやりと司法主任を見つめて居た...
浜尾四郎 「途上の犯人」
...ぼんやりと空(そら)を眺(なが)めて物(もの)の手(て)につかぬ不審(いぶか)しさ...
樋口一葉 「われから」
...雪の上に坐ってぼんやりと池を眺めていた...
久生十蘭 「キャラコさん」
...わたしはぼんやりと...
マロ Malot 楠山正雄訳 「家なき子」
...何となく至道をぼんやりと感じ得(真如)...
南方熊楠 「神社合祀に関する意見」
...きっと私はただぼんやりとしていたのだろう...
山川方夫 「博士の目」
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