...縁側へ出てぼんやりと空を眺めた...
池谷信三郎 「橋」
...ぼんやりと眼と口とを打開いた...
豊島与志雄 「阿亀」
...ぼんやりと眺め耽った...
豊島与志雄 「林檎」
...梅はうすらにぼんやりと白く見えた...
長塚節 「十日間」
...私は何も塗らないぼんやりとした自分の顔を見ていると...
林芙美子 「新版 放浪記」
...薄曇りの空には微熱にうるむ瞳(ひとみ)がぼんやりと感じられた...
原民喜 「死のなかの風景」
...僕がこの世にゐなくなつても、僕のやうな気質の青年がやはり、こんな風にこんな時刻に、ぼんやりと、この世の片隅に坐つてゐることだらう...
原民喜 「心願の国」
...棟の低い灰色の家並がぼんやりと記憶に残っていたが...
久生十蘭 「地底獣国」
...灰白色からぼんやりとした薄墨色にかわって来た...
久生十蘭 「地底獣国」
...あさひの感覚にぼんやりとした曙がおとずれ...
久生十蘭 「虹の橋」
...私は長い一時間を出鱈目な文法を喚き散らすベルナアルさんの口元をぼんやりと眺めたまま過してしまうのだった...
久生十蘭 「葡萄蔓の束」
...その観念はぼんやりとしてはっきりしないので...
デイビッド・ヒューム David Hume 井上基志訳 「人間本性論(人性論)」
...ただぼんやりと空を眺めているより他に始末のない姿を保ち続けていた...
牧野信一 「吊籠と月光と」
...そんなことをぼんやりと考へてゐたので...
水野仙子 「散歩」
...「風の靡(なび)き」(にけりな里の海人(あま)の焚(た)く藻(も)の煙心弱さに)のたよりなさに以前よりもいっそうぼんやりと物思いを続けています...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...しかもぼんやりと雲・霧のように見えるばかり...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...松蔵がぼんやりとそこに腰かけていると...
吉川英治 「田崎草雲とその子」
...ぼんやりとした当惑と恐怖を齎したのだ...
H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft The Creative CAT 訳 「狂気の山脈にて」
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