...ぼろ綿人の俄か繕いをはじめたのであるが...
犬田卯 「おびとき」
...「てりもせずくもりもはてぬ春の夜のおぼろ月夜にしくものぞなき」いとも静けき春の夕...
上田敏 「月」
...やがてぼろぼろになってしまうだろう)彼はけだるく身体を起しながら...
梅崎春生 「黄色い日日」
...朧気(おぼろげ)な映像があらわれた...
海野十三 「赤外線男」
...血走った大きな目を(このぼろ男の目は...
江戸川乱歩 「影男」
...兄や嫂が数珠つなぎにうなだれて行くまぼろしに脅やかされました...
橘外男 「仁王門」
...犬どもは彼の汚いぼろ服に吠えつく...
モーリス・ルヴェル Maurice Level 田中早苗訳 「乞食」
...世に変化あらんことを欲するおぼろげな気分...
津田左右吉 「歴史の矛盾性」
...他界の幻影(まぼろし)に接したと同様の心持になったのである...
夏目漱石 「坑夫」
...朧乍(おぼろなが)ら屋並の上には月も出て居ります...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...巨大な学校の建物の主要部がおぼろげに空に聳えているのを見て...
アルジャナン・ブラックウッド 森郁夫訳 「秘密礼拜式」
...月時計にして十二のころ他より朧(おぼろ)なものひとつが(畢竟するにそのひとつが最適なものだとわかるのだが)降りてくる――静かに――下へとその中心を...
エドガー・A・ポオ Edger A. Poe 「ポオ異界詩集」
...おおこれよこれよとその笠手にささげてほこらに納め行脚の行末をまもり給えとしばし祈りて山を下るに兄弟急難とのみつぶやかれて鶺鴒やこの笠たゝくことなかれここより足をかえしてけさ馬車にて駆けり来りし道を辿るにおぼろげにそれかと見し山々川々もつくづくと杖のさきにながめられて素読のあとに講義を聞くが如し...
正岡子規 「旅の旅の旅」
...じぶんのきているぼろ着物(きもの)がもえたって...
グリム Grimm 矢崎源九郎訳 「こわいことを知りたくて旅にでかけた男の話」
...まぼろしでなく夢でなく...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集拾遺」
...彼らの挙止(きょし)の礼は、九重(ここのえ)の清涼(せいりょう)と何ら変らないが、二人の衣冠は、ぼろぼろだった...
吉川英治 「私本太平記」
...まぼろしの魔軍(まぐん)のごとく...
吉川英治 「神州天馬侠」
...壁から壁へまぼろしのような影が...
神西清訳 「ムツェンスク郡のマクベス夫人」
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