...あたりがほのかに暗くなると...
海野十三 「火星兵団」
...ほのかに風の渡る音が聞こえてきた...
江戸川乱歩 「影男」
...豆の数より親の在所が恋いしゅうて恋いしィくば訪ね来てみよ信田のもゥりのうゥらみ葛(くず)の葉(は)自分はこの唄にはほのかながら子供の郷愁(きょうしゅう)があるのを感じる...
谷崎潤一郎 「吉野葛」
...土の匂いがほのかに漂いだす頃になると...
豊島与志雄 「土地」
...朝の光をほのかに受けて...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...素顏にほのかな紅を呑んだのさへ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...ほのかな唇の紅が...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...春がくる 春がくる春がくるときのよろこびは あらゆるひとの命を吹きならす笛のひびきのやうだそこにもここにもぞくぞくとしてふきだす菌(きのこ)毒だけまた藪かげに生えてほのかに光るべにひめぢの類...
萩原朔太郎 「定本青猫」
...ぼんやり白い水面のほのかなあかるみを受け...
本庄陸男 「石狩川」
...なぜならあの上のほう、もうこれ以上昇れぬというところから、一つの微光が彼等をさしまねいている――最後の高みから、一つのほのかな、ゆらゆらとゆらめく光がさしまねいているからである...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「予言者の家で」
...「光ほのか」が、どんな材料からつくられたかが推察されましたが、つまりは「光ほのか」は作為的であって失敗です...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...ほら穴(あな)の中のほのかな光に目がなれてくるにつれて...
セルマ・ラーゲルレーヴ Selma Lagerlof 矢崎源九郎訳 「ニールスのふしぎな旅」
...栄二もほのかに聞いていたし...
山本周五郎 「さぶ」
...提灯の紅の円光の中をほのかな光りに染りつつ遊泳した...
横光利一 「旅愁」
...源六はほのかに迫る匂い袋の香にだけでも酔ってしまいそうな心地でした...
吉川英治 「江戸三国志」
...いぶかりつつ眸をこらして正面の仏龕(ぶつがん)ほのかな辺りを見ると...
吉川英治 「新書太閤記」
...さすがに貴公子らしいと後にただようほのかな人格のかおりを禅房の人々はゆかしく思いあうのであったが...
吉川英治 「親鸞」
...お綱の手元をほのかに見せた...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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