...彼はほのかな幸福を感じた...
梅崎春生 「黄色い日日」
...――月白(つきしろ)ほのかに匂ひわたるこの夕暮の刹那や...
薄田泣菫 「泣菫詩抄」
...霧の上の方の縁(へり)を通して赤くほのかに現れた...
スティーブンソン Stevenson Robert Louis 佐々木直次郎訳 「宝島」
...ほのかに嬉しく思っていたのに...
太宰治 「新樹の言葉」
...ほのかなしなを作るとか...
谷崎潤一郎 「蓼喰う虫」
...………そしておりおり洩(も)れて来るほのかな囁(ささや)き...
谷崎潤一郎 「痴人の愛」
...低い東の空がほのかな青白い色に痛ましく白んでくるのを見た...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...闇い夜であるが海だけはぼんやり白んで淡路島がすぐ目の前に見えてともし灯がほのかに光る...
長塚節 「須磨明石」
...ほのかな恋を匂わせながら...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...ああげにたへがたくもみじめなる私の過去よながいながい孤獨の影よいまこの竝木ある冬の日の街路をこえてわたしは遠い白日の墓場をながめるゆうべの夢のほのかなる名殘をかぎてさびしいありあけの山の端をみる...
萩原朔太郎 「蝶を夢む」
...「吹上げ」の十三本の絃(いと)の白いのが、ほのかに、滝が懸かったように見えている...
長谷川時雨 「朱絃舎浜子」
...ほのかに、なまめかしく匂つて來る...
三好十郎 「肌の匂い」
...ほのかにでもお話しになることを聞いておあげなさいませ...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...空がほのかに明るんでいるのを見た...
山本周五郎 「赤ひげ診療譚」
...ほのかなぬくみのあるのが感じられた...
山本周五郎 「花も刀も」
...己(おの)が手の静脈のほのかに青きを見詰めながら...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集」
...夕日が遠い山の頂を射て藍青の峰が微(ほのか)に匂う...
吉江喬松 「木曾御嶽の両面」
...ボウと白光(はっこう)の花叢(はなむら)がほのかである...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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