...表慶館(へいけいくわん)に陳列されてゐた陶器類は殆(ほとん)ど破損したといふことであるが...
芥川龍之介 「大正十二年九月一日の大震に際して」
...けれども柿江はほとんど泥酔者(でいすいしゃ)のようになってしまっていた...
有島武郎 「星座」
...わたしはその名がここらあたりではほとんど知られていない...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...ほとほと思案に余りました...
中里介山 「大菩薩峠」
...あと作付期間は両者ほとんど同じということになる...
中谷宇吉郎 「コロラド通信」
...高知城の石垣のほとりには『花物語』の昼顔が今日もやはり咲いている...
中谷宇吉郎 「寅彦の遺跡」
...ほとんど擦(す)れ擦れになって...
夏目漱石 「明暗」
...穴(あな)はもう殆(ほとん)ど蜂(はち)の體(からだ)のすべてを隱(かく)すやうな深(ふか)さになつてゐた...
南部修太郎 「畫家とセリセリス」
...「白痴」とほとんど同等に...
堀辰雄 「小説のことなど」
...ブレナム号はほとんど勝ち目がない...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「本命馬」
...壮健な家畜のどんなものでもほとんど滅多に殺すことはなかった...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...ほとんど人間の声とは思われない叫び声をあげながら...
三好十郎 「胎内」
...ほとんど耐えかねていたように...
室生犀星 「姫たちばな」
...再び金州を過ぎてはろばろと柳のもとに沙赤し我が車をば焦がす日の色西田猪之輔君と夏家河子にて渤海を見て我が遊ぶよろこびに交(まじ)らんとして洲にある白帆(しらほ)渤海のほとり平たき夏家河子(かかかし)の沙に暫く立つる我が杖西田猪之輔君と...
與謝野寛・與謝野晶子 「満蒙遊記」
...……初時鳥(はつほととぎす)」高氏はもう起き出している...
吉川英治 「私本太平記」
...権現川(ごんげんがわ)にそい、東塔坂(とうとうざか)をのぼって行くあいだも、ほとんど、人らしいものには行き会わなかった...
吉川英治 「新書太閤記」
...衝突は西の築土(ついじ)の角あたりから始まって、猛烈な白兵戦を展じ、哨戒(しょうかい)の一小隊を衝きくずして、惣門のやや近くまで迫ったが、ひとたび明智方の中堅(ちゅうけん)がそれを顧みて、「小癪(こしゃく)な」と、槍を揃えて来るや、ほとんど、歯も立たないほど突き立てられ、長門守父子(おやこ)も傷を負うし、小勢の味方は半数に打ち減らされてしまったので、「この上は、妙覚寺へ参って、信忠卿と一手にならん」と、道をかえて奔(はし)り出した...
吉川英治 「新書太閤記」
...またはほとんど全く同一の分量の貨物と交換されるべきほどの金を取得するであろう...
デイヴィド・リカアドウ David Ricardo 吉田秀夫訳 「経済学及び課税の諸原理」
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