...けれども、硝子(ガラス)戸と障子(しょうじ)とで、二重にしめきった部屋の中は、火鉢のほてりで、のぼせるくらいあたたかい...
芥川龍之介 「老年」
...葉子は軽く酒ほてりのした顔をあげて倉地を見やりながら...
有島武郎 「或る女」
...火のやうに熱い涙が二粒三粒ほてり切つた頬を軽くくすぐるやうにたら/\と流れ下つたと思ふと...
有島武郎 「お末の死」
...少し汗ばんでほてりを持ったお小夜の顔には...
伊藤左千夫 「新万葉物語」
...全身が汗ばみ、ほおはほてり、心臓は異様に鼓動していた...
江戸川乱歩 「影男」
...人びとに不気味な火照(ほてり)を覚えさせ...
大阪圭吉 「坑鬼」
...」ペンベリーはおだやかに答えたが、頬は赤くほてり、目は怒りにもえていた...
リチャード・オースティン・フリーマン Richard Austin Freeman 妹尾韶夫訳 「予謀殺人」
......
鶴彬 「鶴彬全川柳」
...顔一杯に火のほてりを感じた...
豊島与志雄 「公孫樹」
...頬のほてりを冷している...
中里介山 「大菩薩峠」
...その顔は日盛(ひざかり)の中を歩いた火気(ほてり)のため...
夏目漱石 「行人」
...車の中へはいったら両方の耳がいっそうほてりだした...
夏目漱石 「三四郎」
...むっと道のほてりが裾の中へはいって来る...
林芙美子 「新版 放浪記」
...見えないほてりが...
葉山嘉樹 「生爪を剥ぐ」
...なんとなく心のほてりを感じる...
久生十蘭 「犂氏の友情」
...この頬のほてりと...
堀辰雄 「菜穂子」
...昨日まで丘や野原の空の底に澄(す)みきってしんとしていた風どもが今朝夜あけ方俄(にわ)かに一斉(いっせい)に斯う動き出してどんどんどんどんタスカロラ海床(かいしょう)の北のはじをめがけて行くことを考えますともう一郎は顔がほてり息もはあ...
宮沢賢治 「風野又三郎」
...かえってからだのほてりを冷(さ)ますぐらいのもので...
ルナアル Jules Renard 岸田国士訳 「にんじん」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??