...四十九早瀬はその水薬(すいやく)の残余(のこり)を火影(ほかげ)に透かして...
泉鏡花 「婦系図」
...障子には二処三処(ふたとこみとこ)穴が開(あ)いて暗い燈影(ほかげ)がそれにかかっていた...
田中貢太郎 「黄燈」
...窓の隙間から一条(すじ)の燈影(ほかげ)がもれている...
モーリス・ルヴェル Maurice Level 田中早苗訳 「乞食」
...窓の外にちらちらしている都会の夜の花やかな灯影(ほかげ)を...
谷崎潤一郎 「痴人の愛」
...それに映(うつ)る灯影(ほかげ)を眺(なが)めるのである...
永井壮吉 「吾妻橋」
...二階の裏窓に火影(ほかげ)が映っていればこれは杉村が泊るという合図なので...
永井荷風 「ひかげの花」
...行手に遠見の番所の火影(ほかげ)がボンヤリと見えている...
中里介山 「大菩薩峠」
...この行燈の火影(ほかげ)で見える横顔なんぞが...
中里介山 「大菩薩峠」
...漁村と漁船には点々たる火影(ほかげ)が見えないということはなかったのですが...
中里介山 「大菩薩峠」
...遠くの方へ流れてゆく小さなさびしい火影(ほかげ)と三味線の音――小さい者は泣くにもなけない不思議なわびしさに閉じこめられてしまう...
長谷川時雨 「牢屋の原」
...まばらに灯影(ほかげ)のさしている家々の窓の光りに照らされて...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...火影(ほかげ)が外へ差しているか...
森鴎外 「雁」
...裾野(すその)のあなたこなたからぬいめぐってくる一道(どう)の火影(ほかげ)である...
吉川英治 「神州天馬侠」
...なかにもれる灯影(ほかげ)があるのに...
吉川英治 「神州天馬侠」
...燈影(ほかげ)一つ見えなかった...
吉川英治 「新書太閤記」
...三人のひっさげ刀(がたな)にメラメラと赤暗い灯影(ほかげ)を揺(ゆる)がした出会(であ)い頭(がしら)――とんとんとんと柔(やわら)かい女の足音...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...毒歯(どくし)一水に映る火影(ほかげ)と...
吉川英治 「宮本武蔵」
...こよいはもうその灯影(ほかげ)を見かけて...
吉川英治 「宮本武蔵」
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