...燈台の火影(ほかげ)が曇って来ました...
芥川龍之介 「俊寛」
...茶室には未(いまだ)に火影(ほかげ)ばかりか...
芥川龍之介 「報恩記」
...ほの暗き蝋燭(らふそく)の火影(ほかげ)の散らぼへる床に...
石川啄木 「呼子と口笛」
...炉(ろ)には柱(はしら)にもなるべき木を惜気(をしげ)もなく焼(たき)たつる火影(ほかげ)に照(てら)すを見れば...
京山人百樹刪定 「北越雪譜」
...海上には帆影(ほかげ)一つない...
スティーブンソン Stevenson Robert Louis 佐々木直次郎訳 「宝島」
...スタンドの灯影(ほかげ)の中にある安らかな寝顔を覗(のぞ)き込んだ時...
谷崎潤一郎 「細雪」
...中庭を隔てた植込の彼方(かなた)に二階の灯影(ほかげ)を見ながら男と二人縁側に腰をかけて...
永井荷風 「つゆのあとさき」
...苫(とま)のかげから漏れる鈍い火影(ほかげ)が...
永井荷風 「深川の唄」
...向うの屋敷道に小さく提灯(ちょうちん)の火影(ほかげ)が現われ...
中里介山 「大菩薩峠」
...どこかに火影(ほかげ)を認めて進む方が賢いかも知れない...
中里介山 「大菩薩峠」
...龍馬の名乗りの直柔(なほなり)と云ふのは後に換へた名で初は直蔭(なほかげ)と云つたのです...
楢崎龍、川田雪山 「千里駒後日譚」
...ぼんやりと灯影(ほかげ)が見える...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...天井に円く映る洋燈(ランプ)の火燈(ほかげ)を目守めながら...
二葉亭四迷 「浮雲」
...ほのぐらい火影(ほかげ)に背を向けた儘(まま)...
堀辰雄 「曠野」
...灯影(ほかげ)に見た顔のきれいであったことを思い出しては情人としておいてよい気が源氏にするのである...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...欲には限(き)りがないものらしい」第六章灯影(ほかげ)人影(ひとかげ)湯島天神の縁日でもあろうか...
吉川英治 「大岡越前」
...なかにもれる灯影(ほかげ)があるのに...
吉川英治 「神州天馬侠」
...かすかな灯影(ほかげ)がゆらめいていたので...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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