...こういう連中のなかで、もっとも恐ろしかったのは、骨格の逞(たく)ましい、ほえるような、威張りたがりの道楽者で、エイブラハムという男だったが、オランダ流にちぢめていえば、ブロム・ヴァン・ブラントといった...
ワシントン・アーヴィング Washington Irving 吉田甲子太郎訳 「スリーピー・ホローの伝説」
...そうしてそのあとには、人の叫ぶ声と、犬のほえる声と、それから太刀(たち)の打ち合う音とが、はるかな空の星を動かして、いっそう騒然と、立ちのぼった...
芥川龍之介 「偸盗」
...するうちにその霧(きり)の中から、ねじ曲がった二本の角(つの)のある頭が出て、それがほえると、続いてたくさんの頭が現われ出て、だんだん近づいて来ました...
ストリンドベルヒ August Strindberg 有島武郎訳 「真夏の夢」
...ほえることはとめられてあったからです...
ハンス・クリスティアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 楠山正雄訳 「雪の女王」
...彼はポチのほえる声を...
海野十三 「恐竜島」
...この戸口の外でへんな声でほえるもんだから...
海野十三 「恐竜島」
...わんわんと犬のほえるこえがきこえてきました...
海野十三 「電気鳩」
...むやみにほえるような犬ではなく...
橘外男 「亡霊怪猫屋敷」
...ゆふべがおもひだされる雨・サイレン鳴れば犬がほえる秋雨嵐のかげのしろ/″\と韮の花・日向ごろりとヱスもわたしも秋草に・あらしのあとの水音が身のまはり・月へ汲みあげる水のあかるさ・月のさやけさ酒は身ぬちをめぐる・月が酒が私ひとりの秋かよ九月廿二日秋日和...
種田山頭火 「其中日記」
...まずはじめに、ほえることも、食べることも、うちじゅうを走りまわることも、あらゆる心のはたらきが消えてしまう...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「カシタンカ」
...たとえば「人生案内」の最後の景において機関車のほえるようなうめくような声が妙に人の臓腑(ぞうふ)にしみて聞こえる...
寺田寅彦 「映画芸術」
...人間の悲鳴だか動物のほえるのだかわからないような気味の悪い叫び声が子供らの騒ぎ声に交じって聞こえて来た...
寺田寅彦 「ねずみと猫」
...タローがほえるので...
林芙美子 「ふしぎな岩」
...波浪のほえるのと...
葉山嘉樹 「海に生くる人々」
... だしぬけに 頭上から べつの 物音が 聞こえてきます ―― のこぎりの ごりごりという 音で それから ひっかきながら わんわん ほえる 子犬の 声も!ネズミたちは のしぼうを とりおとして 耳を そばだてます...
ベアトリクス・ポッター Beatrix Potter 大久保ゆう訳 「ちょびひげサミュエルのはなし」
...ほえるようにひびかせていた...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「ヴェニスに死す」
...林はまるでほえるよう...
宮沢賢治 「風の又三郎」
...ただウォーウォーと犬がほえるように...
三好十郎 「肌の匂い」
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