...そこに横はつてゐた老俳諧師の病みほうけた顔を眺めると...
芥川龍之介 「枯野抄」
...大望がほうけたら如何する...
有島武郎 「幻想」
...ほうけた鼓草(たんぽぽ)のように...
泉鏡花 「薄紅梅」
...朽ちほうけた七五三飾の繩ばかりなのが...
伊藤左千夫 「古代之少女」
...雑草そのままに咲いた咲いたおもさは雨の花のあかさけふも雨ふる病みほうけたる爪をきらう・雨のゆふべの人がきたよな枯木であつたか・どうやらあるけて見あげる雲が初夏五月六日晴...
種田山頭火 「其中日記」
...病みほうけた人々が...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「ワーニャ伯父さん」
...病みほうけたように頭上で揺れ動いて...
チャールズ・ディッケンズ 佐々木直次郎訳 「二都物語」
...黒ぶちの毛並も薄い痩せほうけた体を...
豊島与志雄 「猫捨坂」
...ちらめく蝋燭の光に照されて病みほうけた体がひよろひよろと動くやうにみえる...
中勘助 「銀の匙」
...花野に多いチングルマは、大かた盛りをすぎて、ほうけた中に、ところどころ帯状をなして、ういういしく咲き出したのがあって、それがついこの頃まで、そこに雪が残っていたことを、まざまざと物語っている...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...病みほうけたように靡きふし...
中村清太郎 「山岳浄土」
...病みほうけた死骸と違つて...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...三遊びほうけたあとの憂鬱が身体にしみとおり...
久生十蘭 「復活祭」
...白い床の中に埋まって居る瘠せほうけた宮部を一様に思い浮べて居た...
宮本百合子 「黒馬車」
...これも古ほうけた品だった...
山本周五郎 「長屋天一坊」
...似たりや似たり」「ほうけたことを」「怒るまい怒るまい」「何せい...
吉川英治 「新書太閤記」
...この老いほうけた久米一の指から生れて...
吉川英治 「増長天王」
...車の兩側はすべて枯れほうけた芒ばかりだ...
若山牧水 「みなかみ紀行」
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