...ぬれた金物がべたべたと糊(のり)のように指先に粘りつく事は珍しくない...
有島武郎 「生まれいずる悩み」
...べたべたと柿江の膝の上に乗りかからんばかりに横とんびに坐った...
有島武郎 「星座」
...水を刷いたりどぼどぼに墨をつけた筆をべたべたと掻き廻されるものであるから瞬く間に一枚の紙がべたべたになってしまう...
上村松園 「三人の師」
...べたべたと白布(はくふ)のうえについていた...
海野十三 「爆薬の花籠」
...人並よりよほど広い額に頭痛膏をべたべたと貼り塞(ふさ)いでいる...
鈴木三重吉 「千鳥」
...頼まれると二つ返事でべたべたと印を捺(お)してゐる...
薄田泣菫 「茶話」
...遠慮なくべたべたと威勢よくやつてくれ...
太宰治 「お伽草紙」
...「けだものの機械」といふ或る新進作家の著書に私がべたべたと機械油を塗つて置いて...
太宰治 「思ひ出」
...べたべたと纏(まつ)わりついてさまざまな必要以外の遊戯をしたがる習性は...
谷崎潤一郎 「鍵」
...従って存分に花粉をべたべたと押しつけられる...
寺田寅彦 「沓掛より」
...あっちこっちにべたべたと密着(くっつ)いているわい」「そうか」「それにまた一方では...
中里介山 「大菩薩峠」
...医者は薬を練つて病人の体中にべたべたと塗つた...
新美南吉 「良寛物語 手毬と鉢の子」
...べたべたと涙が溢れる...
林芙美子 「新版 放浪記」
...その上をべたべたと歩き廻って沢山の足跡をつける...
久生十蘭 「ノンシャラン道中記」
...頬つぺたにも粥がべたべたとくつつき...
北條民雄 「続癩院記録」
...軽部の膝骨が屋敷の背中を突き伏せる度毎にまた直ぐべたべたと崩れてしまって着物の捲れあがった太った赤裸の両足を不恰好に床の上で藻掻かせているだけなのだ...
横光利一 「機械」
...義士を讃えた歌もべたべたと貼られる...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...一斉(いっせい)にべたべたと大地へ土下座し始めたので...
吉川英治 「親鸞」
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