...何だかその匂(におい)や褐色の花粉がべたべた皮膚(ひふ)にくっつきそうな気がした...
芥川龍之介 「子供の病気」
...青い杓子(しゃくし)をべたべたのばしながら...
芥川龍之介 「樗牛の事」
...まだ乾かずにべたべたしてゐる...
芥川龍之介 「動物園」
...殊に半千(きようはんせん)か何かの掛物に太い字のべたべた並んでゐるのは殆ど我々胃病患者に自殺の誘惑を与へる為...
芥川龍之介 「僻見」
...べたべたと柿江の膝の上に乗りかからんばかりに横とんびに坐った...
有島武郎 「星座」
...すぐに紙がべたべたになる...
上村松園 「三人の師」
...ベッドの上が汗でべたべたに濡れてしまつた...
海野十三(佐野昌一) 「南太平洋科學風土記」
...遠慮なくべたべたと威勢よくやつてくれ...
太宰治 「お伽草紙」
...「倫敦巴里間――帝国航空路」という絵紙が荷物にべたべた貼られる...
谷譲次 「踊る地平線」
...彼は子供と二人で幾枚かの切手のべたべた貼(は)られた封筒の消印を透かして見た...
徳田秋声 「仮装人物」
...女にべたべたしている身でもなければ...
直木三十五 「南国太平記」
...表(おもて)二階を借りている伊東さんというカフェーの女給(じょきゅう)が襟垢(えりあか)と白粉(おしろい)とでべたべたになった素袷(すあわせ)の寐衣(ねまき)に羽織を引(ひっ)かけ...
永井荷風 「ひかげの花」
...骨が両方の頬っぺたにさわってべたべたに脂だらけになった...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...もう一人の男の指紋がべたべたついているのです...
平林初之輔 「予審調書」
...悪魔が粥のようにべたべたしていては困る...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...そこらにべたべた居る野卑な貝だ)なら取って行くが宜(い)い...
山本周五郎 「青べか日記」
...義士を讃えた歌もべたべたと貼られる...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...彼は包み紙の中でべたべたになる林檎糖(りんごとう)のように汗をかいているからだ...
ルナアル Jules Renard 岸田国士訳 「にんじん」
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