...火蛇(ひへび)のやうなこの花の魂は黒い涙となつて鈍染(にじ)んでゐる...
上田敏 上田敏訳 「牧羊神」
...蛇(へび)のような眼を持ったカンカン寅がヒョックリ顔を出す...
海野十三 「疑問の金塊」
...○両頭(りやうとう)の蛇(へび)文政十年亥の八月廿日隣駅六日町の在(ざい)...
京山人百樹刪定 「北越雪譜」
...蛇(へび)はひそみぬ...
薄田淳介 「白羊宮」
...蛇山(へびやま)の庵室(あんしつ)に籠(こも)って...
田中貢太郎 「南北の東海道四谷怪談」
...あの手すりの上をすべって行くゴムの帯もなんだか蛇(へび)のようで気味が悪いと言った人もある...
寺田寅彦 「丸善と三越」
...月光が蛇(へび)のように水面を這(は)っている川端をぶらぶらあるいていると...
徳田秋声 「挿話」
...吾儘(わがまま)な兄は蛇払(へびはらい)として彼に先導(せんどう)の役を命じた...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...蝮蛇(まむし)や青蛇(あおへび)よりももっと有害な口をきく...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...囁く如き短い前奏(まへびき)につゞいて...
永井荷風 「新歸朝者日記」
...じゃの道は蛇(へび)の相当な奴が意地になって...
中里介山 「大菩薩峠」
...鎌(かま)の刄先(はさき)が蛇(へび)を切(き)つたのである...
長塚節 「土」
...したがって従来経験し尽した甲の波には衣を脱いだ蛇(へび)と同様未練もなければ残り惜しい心持もしない...
夏目漱石 「現代日本の開化」
...握りに刻まれた蛇(へび)の頭に移った...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...音に高い北見村斎藤伊衛門の蛇除(へびよけ)の御守をもらって...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...彼等(かれら)も蛇(へび)の一種(しゆ)だ...
レウィス、キァロル Lewis Carroll 丸山英觀訳 「愛ちやんの夢物語」
...ちょうど蛇(へび)に魅入(みい)られた蛙(かえる)のように動けなくなって...
夢野久作 「木魂」
...蛇性(へびしょう)の女に見込まれたのが因果...
吉川英治 「剣難女難」
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