...甚だしきに到つては、文學の鬼、などといふ、ぶしつけな、ひどい言葉を何某先生に捧げたりしてゐて、これではいくら何でも、その何某先生も御立腹なさるだらうと思ふと、また、さうでもないらしく、その何某先生は、そんな失禮千萬の醜惡な綽名をつけられても、まんざらでないらしく、御自身ひそかにその奇怪の稱號を許容してゐるらしいといふ噂などを聞いて、迂愚の私は、いよいよ戸惑ふばかりである...
太宰治 「お伽草紙」
...人当たりはいい方ですか?』私はそのぶしつけな質問に...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 三上於菟吉訳 「患者兼同居人」
...かようなぶしつけなことを幾重にもお詫び申し上げる』との言づてを頼んだ...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...そしていかに一生懸命の張り合いが起こったことだろう! いかに激しい嫉妬(しっと)の炎が燃やされたことだろう! そのぶしつけな敵から教師を取りもどさんがために...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...別段ぶしつけなことを伺うつもりではなかったのですけれど...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...彼は思ったとおりのぶしつけな口をきいていた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...その大きな眼付の無表情とも言えるぶしつけな平静さが...
豊島与志雄 「沼のほとり」
...たとえそんなぶしつけな小説があったとしても...
トルストイ 米川正夫訳 「クロイツェル・ソナタ」
...御客様にそんなぶしつけな方(ほう)があるものか以後はたしなむが善かろうときめつけられた...
夏目漱石 「倫敦消息」
...何かの時に今度のような、ぶしつけな、愛想(あいそう)のないことをするのはしかたがないがね、物思いをさせられたり、嫉妬(しっと)を覚えさせられたりすることもなく、よく双方で口喧嘩(くちげんか)はしても、しかたのないと思うことは、またよくあきらめてしまうのが私ら夫婦なのだ...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...ぶしつけな、機械を取扱うような固い検事の物の言いかたも不快であった...
室生犀星 「或る少女の死まで」
...あのぶしつけな・厚かましい・挙動を有害だとしてくさし...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...そんなぶしつけなことをと申しますと...
夢野久作 「あやかしの鼓」
...姿に似気ない手のうちに驚いて、おりんの方はあと廻しに、こんどは、三名が一束になって挑(いど)みかかりましたが、さッと、身を開くと、「何をしやるッ」柳眉に美しい険が立つ――「女と思うて、ぶしつけな、この上わるさをすると許しませぬぞ」いうかと思うと、いつのまにか、手につかんでいた砂の目つぶし...
吉川英治 「江戸三国志」
...「ぶしつけな申し分かも知れませんが...
吉川英治 「江戸三国志」
...ぶしつけな正視を相手へ与えながら...
吉川英治 「親鸞」
...「ぶしつけなことをうかがいまするが...
吉川英治 「親鸞」
...彼のぶしつけな視線に...
吉川英治 「平の将門」
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