...無惨にふみにぢられたいたでを負ふたまま苦痛に息づかいを荒らくしながら帰京したときにはもう学校は二学期に入つてゐた...
伊藤野枝 「惑ひ」
...具(はたもの)の木(ふみき)もとどろ...
上田敏 上田敏訳 「海潮音」
...耀(かゞよ)ふみれば宿命(しゆくめい)の覊絆(きづな)はいつか解(と)かれたり...
上田敏 上田敏訳 「牧羊神」
...徳永を踏台(ふみだい)にして他の仕事を見付ける意(つもり)でいたのだから...
内田魯庵 「二葉亭四迷の一生」
...するとふしぎな釜は綱をふみはずした...
海野十三 「金属人間」
...グッとふみつけました...
江戸川乱歩 「宇宙怪人」
...その文束(ふみたば)は真紅(まっか)なリボンで結(ゆわ)えてあった...
モーリス・ルヴェル Maurice Level 田中早苗訳 「ふみたば」
...近松位のところで踏留(ふみとま)つてゐる方が芸術か...
田山録弥 「西鶴小論」
...「山本ふみちゃんを馘首(くび)にさしたのもおまえじゃないか」「須田課長のお妾(めかけ)め!」「この蛍(ほたる)ッ」ツネられたり...
徳永直 「工場新聞」
...その時私はぐっと足をふみしめてやった...
豊島与志雄 「蠱惑」
...踏臺(ふみだい)でもしなきやなるまい」「フーム」「伊太郎は自分の胸を突かれ乍ら...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...釘のやうに突き出た岩の上を一足一足ふみしめながら...
林芙美子 「大島行」
...播磨守さまが面目玉をふみつぶして隠居なさろうと...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...だいじなたったひとりの娘の幸福までがむざむざとふみにじられるのかと思うと...
久生十蘭 「キャラコさん」
...もしその間におふみと芳太郎とが万歳をやりながら互に互の眼を見合わせるその眼...
宮本百合子 「「愛怨峡」における映画的表現の問題」
...紅(あか)い薄様(うすよう)に包まれたお文(ふみ)が目にたつので院ははっとお思いになった...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...盤河橋(ばんがきょう)をふみ渡れ」と...
吉川英治 「三国志」
...艶文(ふみ)を交わしているのだろうが」「なんで私が……ええあんまりな」「しぶとい阿女(あま)めが」平次郎は...
吉川英治 「親鸞」
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