...ふてえ婆だというような話を聞いて...
高見順 「如何なる星の下に」
...いくら稼いで鼠をとったって――一てえ人間ほどふてえ奴は世の中にいねえぜ...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...ふてえ奴ぢやありませんか」「ともかく行つて見よう」平次は手早く仕度をすると...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...畜生、ふてえ奴だ...
長谷川伸 「中山七里 二幕五場」
...「ふてえ野郎だ、狸ねえりなんぞしやあがって、それとも何か計略でも考げえてやがるのか、へっ、こっちあな、表に三十人から待ってるんだぞ、ぴいとひとつ呼笛(よびこ)を吹きあよ、へっ、命知らずの野郎どもがだんびら物をひからしてとびこんで来るんだ、じたばたすると命あねえぞ」「――面白いな、ひとつそれを吹いてみろ」「なにょう、な、なんだと野郎」「――その呼笛を吹いてみろと云うんだ」含み笑いをしながら成信がそう云うと、男はうっと詰り、それから出刃庖丁をゆらゆらさせ、精いっぱい凄(すご)んで喚きたてた...
山本周五郎 「泥棒と若殿」
...「この山猫め、こんな処にいやがって、ふてえあまら、――が、どうしたんら、ばかにきれえになったらねえか」「そうだ、いい着物を着て髪なんぞ結やあがって、すっかり見ちげえちまったぞ、すっかり見ちげえるほどきれえになりやがった、おまけにもうちゃんとした娘じゃあねえか」「娘ら、娘ざかりら」「なにかうめえ蔓(つる)でも捉めえやがったな、――いや、そんなこっちゃねえ、そんな褒(ほ)めてるようなばええじゃあねえぞ」屁十は腕捲(うでまく)りをした...
山本周五郎 「風流太平記」
...そんなふてえ阿魔なら...
山本周五郎 「ゆうれい貸屋」
...「石神様を荒らしたやつがあるぞ」「ふてえ奴だ...
吉川英治 「江戸三国志」
...ふてえ阿女(あま)だ」こういって...
吉川英治 「江戸三国志」
...ふてえ奴らだ」「いや...
吉川英治 「大岡越前」
...ふてえ女だ、強請(ゆすり)だな、てめえは」「君! わたしをゆすりだと言ったわネ」この、君! にたいがいな馭者は毒ッ気を抜かれるし、またそのうちには人だかりがするので、車上の者が紳商貴顕のたぐいである場合には、必ず馭者を呼んで、金貨か紙幣をそっと握らせて囁(ささや)くに決まっている...
吉川英治 「かんかん虫は唄う」
...あっしが帰った後ですね」「もう明け方に近かったそうです」「ふてえやつだ...
吉川英治 「治郎吉格子」
...なりにもにあわぬふてえやつ...
吉川英治 「神州天馬侠」
...物代(ものしろ)以上の値はふめる」「ふてえ奴...
吉川英治 「平の将門」
...ふてえ奴だ...
吉川英治 「宮本武蔵」
...「捕まえた」「ふてえ奴だ」「どやせ」「たたっ殺してやれ」足が出る...
吉川英治 「宮本武蔵」
...「ふてえ奴」追い詰めて来た土工のうちの二...
吉川英治 「宮本武蔵」
...押しがふてえ」「だが...
吉川英治 「無宿人国記」
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