...さっさと池の縁(ふち)を曲って行った...
芥川龍之介 「上海游記」
...淵(ふち)のやうにまた水(みづ)が青(あを)い...
泉鏡太郎 「雨ふり」
...椅子のふちを指先で叩いたり...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「和製椿姫」
...向ふ側の若い男もはじめのやうにコツプを口のふちへやつたなりでゐた...
田中貢太郎 「黒い蝶」
...鐘(かね)が淵(ふち)紡績(ぼうせき)の煙突(えんとつ)草後に聳(そび)え...
寺田寅彦 「半日ある記」
...兩方(りやうはう)の端(はし)が赤(あか)い切(きれ)で縁(ふち)をとつてある...
長塚節 「土」
...魚は淵(ふち)に躍(おど)る...
夏目漱石 「虞美人草」
...其顏(そのかほ)は酒氣(しゆき)のまだ醒(さ)めない赤(あか)い色(いろ)を眼(め)の縁(ふち)に帶(お)びてゐた...
夏目漱石 「門」
...眼のふちがぽうっとする...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...その後扶持(ふち)に離れて...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...椅子のふちにかけた手は...
長谷川時雨 「江木欣々女史」
...扶持(ふち)に離れた士族は目なし鳥だった...
長谷川時雨 「木魚の配偶」
...泉石林木(せんせきりんぼく)の布置(ふち)...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...何故(なにゆえ)に以前藩に対してあれほど卑劣な男が後に至(いたっ)ては折角(せっかく)呉(く)れようと云う扶持方(ふちかた)をも一酷(いっこく)に辞退したか...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...眼のふちには黒い隈さえ縁取られて傷ましい「死」の影に蝕(むしば)まれた圓朝は...
正岡容 「圓朝花火」
...山田は遠江国(とおとうみのくに)敷智郡(ふちごおり)都築(つづき)の人である...
森鴎外 「渋江抽斎」
...そこで女房は夫のもらう扶持米(ふちまい)で暮らしを立ててゆこうとする善意はあるが...
森鴎外 「高瀬舟」
...自滅か追討の淵(ふち)へ追い落してしまおうとする点にある...
吉川英治 「私本太平記」
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