...高い鼻の上に八角形の縁(ふち)なし眼鏡(めがね)をかけている美しい若い研究者――その木見雪子が突然行方不明になったというのである...
海野十三 「四次元漂流」
...眼のふちの小皺や...
大杉栄 「続獄中記」
...わたしは小径の縁(ふち)にひざまずいた...
ツルゲーネフ 神西清訳 「はつ恋」
...縁形(ふちくりがた)に金の塗ってある化粧室...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...)この盃(さかずき)の冷たい縁(ふち)には幾度(いくたび)か快楽の唇が夢現(ゆめうつつ)の境(さかい)に触れた事であろう...
ホフマンスタアル Hugo von Hofmannsthal 森鴎外訳 「痴人と死と」
...白っぽい煙のふちを金色に彩(いろど)った...
本庄陸男 「石狩川」
...池のふちで斯んな会話を交へてゐた...
牧野信一 「鵞鳥の家」
...湖水のふちであるためか何となく弓なりに感じられる葦などの茂つた小径を...
牧野信一 「山を越えて」
...白い絹(きぬ)でふちを取って...
マロ Malot 楠山正雄訳 「家なき子」
...薄黒くふちのできた柔和な眼は横へそれて...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「神童」
...こんな道のふちにもね...
水野葉舟 「かたくり」
...小皿(こざら)伏せたるようなる縁(ふち)せまき笠(かさ)に艸花(くさばな)さしたるもおかしと...
森鴎外 「文づかい」
...テーブルのふちに腰(こし)をかけ...
セルマ・ラーゲルレーヴ Selma Lagerlof 矢崎源九郎訳 「ニールスのふしぎな旅」
...天蓋のふちをむずと掴んだ...
吉川英治 「剣難女難」
...あやうくも自己の“命とり”を招くやも知れなかった危険なる転落の崖(がけ)ふちだった...
吉川英治 「新書太閤記」
...また悪政の釜中(ふちゅう)にあえいでいる下々のためにも...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...茶碗のふちへ歯がガツガツと鳴る...
吉川英治 「宮本武蔵」
...厚でな盃のふちみたいな唇を綻(ほころ)ばせて...
吉川英治 「宮本武蔵」
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