...縁(ふち)を縫ってくれる人がないんで弱って駆けつけたんです...
有島武郎 「或る女」
...一番恐ろしい運命の淵(ふち)に臨んでいる産婦と胎児だけだった...
有島武郎 「小さき者へ」
...泥亀(すつぽん)は天(てん)に舞(ま)ひ鳶(とんび)は淵(ふち)に躍(をど)る...
三文字屋金平 「為文学者経」
...眼鏡のふちは死体の顔のそばにおき...
リチャード・オースティン・フリーマン Richard Austin Freeman 妹尾韶夫訳 「オスカー・ブロズキー事件」
...「この海のふちを西へ西へ往けば...
田中貢太郎 「宇賀長者物語」
...雨ふらしめと燃えさかるどこにも水がない枯田汗してはたらくまいにちはだかでてふちよやとんぼや炎天のレールまつすぐもらうてもどる水がこぼれるすずしくも鉦たたきよ鉦をたたいてどこにゐる月のあかるさ旅のめをとのさざめごと鳥とほくとほく雲に入るゆくへ見おくるけふの暑さはたばこやにたばこがない月は澄みわたり刑務所のまうへ九月...
種田山頭火 「草木塔」
...ただひとり濠(ほり)の縁(ふち)に踞(かが)んで...
小泉八雲 Lafcadio Hearn 戸川明三訳 「貉」
...笠のふちから肩へかけて...
豊島与志雄 「台湾の姿態」
...やっと云う掛声と共に両手が崖(がけ)の縁(ふち)にかかるが早いか...
夏目漱石 「二百十日」
...切られぬ縁の血筋といへば有るほどの悪戯(いたづら)を尽して瓦解(ぐわかい)の暁に落こむはこの淵(ふち)...
樋口一葉 「大つごもり」
...」私は崖ふちの畑に逃れてからBの居ないのに気づいたから慌てゝ彼の独房へ走つた...
牧野信一 「素書」
...流れのふちに来ると...
牧野信一 「夜見の巻」
...某新聞紙の編輯長(へんしふちやう)に説きて...
森鴎外 「舞姫」
...深い淵(ふち)に沈んでいる...
柳宗悦 「工藝の道」
...冬のまま囲炉裏のふちにおいてあった...
柳田国男 「雪国の春」
...東の空の低い棚雲(たなぐも)のふちが...
山本周五郎 「ちくしょう谷」
...かなり広い流れのふちに立って...
吉川英治 「江戸三国志」
...――この者どもは扶持(ふち)にも離れかけたが...
吉川英治 「私本太平記」
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