...眠り足りない人が思わず瞼(まぶた)をふさぐように...
有島武郎 「生まれいずる悩み」
...只何となく気がふさいでいけませんもの……」「気がふさぐつてお前...
田澤稲舟 「五大堂」
...Sはぢやれる、私はふさぐ、犬と人とは...
種田山頭火 「其中日記」
...午後はあんまり気がふさぐので近郊を散歩した...
種田山頭火 「其中日記」
...こうして眼をふさぐたびに...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...もっと道具だ! どこにあるんだ? この穴をふさぐ漆喰(しっくい)をいっぱい持ってこい...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...――けれども、現代の人びとはあまりに肉体を大切に考えすぎているので、まず神のことばを聞け、と話してみたって、耳をふさぐか、背を向けて逃げるか、歯をむいて跳びかかってくる...
永井隆 「この子を残して」
...軍服をつけ銃を肩に立ち上がったこの姿を見よ沈着と決意に動かぬこの勢揃いを見よ彼女らの全身の血の集中!すべてを明日に未来にかけ今日立ちふさぐ我ら日本の女我らの目はあつく燃える正義と愛と憎しみとに波打つその立派なたくましい彼女らの整列の上に...
中野鈴子 「スペインの女」
...咽喉をふさぐ気もちだった...
林不忘 「あの顔」
...手にした椅子がグレゴールの背中に振り下ろされたらはじめて口をふさぐつもりなのだ...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「変身」
...今(いま)より胸(むね)の中(なか)もやくやとして自(おのづか)ら氣(き)もふさぐべき種(たね)なり...
一葉女史 「ゆく雲」
...氣(き)のふさぐも道理(だうり)とせめては貴孃(あなた)でもあはれんでくれ給へ...
一葉女史 「ゆく雲」
...強(あなが)ち耳をふさぐのではなくても...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...夢いささかふさぐなぞということはなかッた...
矢崎嵯峨の舎 「初恋」
...おゆみの逃げ道をふさぐようにおもえた...
山本周五郎 「赤ひげ診療譚」
...気持のふさぐようなときには...
山本周五郎 「落葉の隣り」
...床口をふさぐ遑(いとま)もなく...
吉川英治 「大岡越前」
...いつのまにか後ろへまわって退路をふさぐ形をとったので...
吉川英治 「三国志」
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