...足指でいきなり栄介のふくら脛を...
梅崎春生 「狂い凧」
...しかしカーテンを開かないと取調べにあまり暗かったものでございますから……」警部は弁解をしながら顔をふくらませている...
海野十三 「地獄の使者」
...彼女はそのふくらんだ太鼓腹に腰かけて...
江戸川乱歩 「江川蘭子」
...豊熟した胸のふくらみを林檎に...
薄田泣菫 「艸木虫魚」
...そのうちに頬が少しづつふくらみ...
太宰治 「お伽草紙」
...鼻のさきの例の楓(かえで)の小枝の先端も一つ一つふくらみを帯びて来て...
寺田寅彦 「簔虫と蜘蛛」
...頬(ほお)をふくらし...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...そして私は彼女の好意によって得た金で懐がふくらんでるのをいいことにして...
豊島与志雄 「道化役」
...片手の櫛で前髪のふくらみを生際(はえぎわ)の下から上へと迅速に掻き上げる...
永井荷風 「妾宅」
...それで年中酔っぱらって頬ぺたをふくらませてはおろちの様な息を吹き吹き歩いて...
中里介山 「百姓弥之助の話」
...膝脛(ふくらはぎ)は太い毛糸の靴足袋(くつたび)で隠すばかりである...
夏目漱石 「永日小品」
...ふくらはぎまで突っこんだまま...
野村胡堂 「胡堂百話」
...一體誰です」八五郎は鼻の穴をふくらませます...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...くっきりとした明晰な書体だが穏和なふくらみの添っているその字は...
「今朝の雪」
...椿の蕾がふくらんで...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...昔のようなふくらかさや張りを失いました...
柳宗悦 「手仕事の日本」
...吉を見て笑う時の頬(ほお)の肉や殊に鼻のふくらはぎまでが...
横光利一 「笑われた子」
...妻に焦(こが)れてまんまろなふくら雀(すゞめ)もよい形(かたち)...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集」
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