...「吉梵法師」と勒(ろく)された墓石は今なお飄々(ひょうひょう)たる洒脱の風(ふうぼう)を語っておる...
内田魯庵 「淡島椿岳」
...この処筆者の風(ふうぼう)彷彿(ほうふつ)として見はると畳掛(たたみか)けて...
内田魯庵 「鴎外博士の追憶」
...幹部の八人の風(ふうぼう)動作が紙上に躍(おど)り出している...
内田魯庵 「硯友社の勃興と道程」
...まことに温和(おんわ)な風貌(ふうぼう)の分別盛(ふんべつざか)りの紳士(しんし)である...
大下宇陀児 「金魚は死んでいた」
...さながら地獄の青鬼の如き風貌(ふうぼう)をしていて...
太宰治 「新釈諸国噺」
...なるべくその人が生きていた時の風貌(ふうぼう)や血色と違わぬようにするのである...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...いったい彼の風貌(ふうぼう)や性格には...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「犬を連れた奥さん」
...どこか世間をはなれたような飄逸(ひょういつ)なところのある点でいちばん父の春田居士(しゅんでんこじ)の風貌(ふうぼう)を伝えていたのではないかと私には思われる...
寺田寅彦 「亮の追憶」
...しかし彼の風貌(ふうぼう)にはどことなく心の奥底のやさしみと美しさが現われていたように思う...
寺田寅彦 「亮の追憶」
...これに応じて山川草木の風貌(ふうぼう)はわずかに数キロメートルの距離の間に極端な変化を示す...
寺田寅彦 「連句雑俎」
...それにベレイを冠(かぶ)った彼の風貌(ふうぼう)は...
徳田秋声 「仮装人物」
...熊本市の市電争議の指導者だった当時の彼の風貌(ふうぼう)がどこにあるだろうか……...
徳永直 「冬枯れ」
...そうした風貌(ふうぼう)の一切が「猿なり」という言葉で簡潔によく印象されてる...
萩原朔太郎 「郷愁の詩人 与謝蕪村」
...その風貌(ふうぼう)においても...
三木清 「人生論ノート」
...そんな人もやや近い所でほのかに源氏の風貌(ふうぼう)に接することもあって侍は喜びの涙を流していた...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...四人とも皆高い貴族の子供たちで風貌(ふうぼう)が凡庸でない...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...風貌(ふうぼう)も気質もずっと老成しているし...
山本周五郎 「末っ子」
...明眸の道士が芥川龍之介さんの風(ふうぼう)を聯想させるのであつた...
與謝野寛・與謝野晶子 「満蒙遊記」
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