...その窓のがらす戸がふいにがたんとはねあきました...
鈴木三重吉 「一本足の兵隊」
...それを今日ふいと思い出した...
寺田寅彦 「柿の種」
...ふいに上半身を起しかけた...
豊島与志雄 「変な男」
...ふいに頭の上で、雷のような遠い連続した音が聞こえた...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...ふいに、だめよ、と静葉は叫んだ...
豊島与志雄 「別れの辞」
...そのままにして仏壇の方にふいと目がつくと...
中里介山 「大菩薩峠」
...卯平(うへい)はお品(しな)が三年目(ねんめ)の盆(ぼん)にふいと來(き)てふいと立(た)つたのである...
長塚節 「土」
...それを母の早呑(はやの)み込(こ)みでみんなにそう吹聴(ふいちょう)してしまった今となってみると...
夏目漱石 「こころ」
...ある時はふいと起(た)って室の外へ出ました...
夏目漱石 「こころ」
...細君はふいと立って茶の間へ時計を見に這入(はい)った...
夏目漱石 「道草」
...誰か一人がふいと手にしてきたのが彼等(ら)にそんな遊戯を思いつかせるのだが――心もちにさせる...
堀辰雄 「幼年時代」
...侍女は自説を吹聴(ふいちょう)しました...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「王冠の重み」
...涼しさのかたまりなれや夜半の月 貞室「涼しさのかたまり」といふいやな言葉を手柄のやうに思ひしなり...
正岡子規 「俳句の初歩」
...足洗ひの法さういふいろ/\な乞食の中には...
三田村鳶魚 「物貰ひの話」
...ふいと出て往った儘それきり帰って来なかった...
柳田國男 「どら猫観察記」
...「わたくしそのお話はいやでございます」「…………」玄蕃も兄の正之進もふいをつかれておどろいたようにふりかえった...
山本周五郎 「日本婦道記」
...ところが、二つの影の折れ重なっているそばへ、ふいに、物蔭から駈け寄った人影が、義平太の横から彼を突きとばした...
吉川英治 「大岡越前」
...無言の彼の面(おもて)をふいた...
吉川英治 「宮本武蔵」
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