...しかもびしょびしょと吹き降りのする寒い雨風のおりを選んで葉子は幌車(ほろぐるま)に乗った...
有島武郎 「或る女」
...そのひもがびしょびしょになって赤い色がすっかり流れ出したので...
鈴木三重吉 「古事記物語」
...さほど広くもないが年中びしょびしょしている一つの荒地のあった事を思い出したので...
相馬泰三 「田舎医師の子」
...びしょびしょ雨で...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...戸外(そと)には物のうみ潰(つぶ)れるような雨がびしょびしょと降っていた...
田中貢太郎 「指環」
...車室の中までびしょびしょになるので...
谷崎潤一郎 「細雪」
...涙でそこがびしょびしょに濡(ぬ)れるぐらい激しいに泣きなさるのんで...
谷崎潤一郎 「卍(まんじ)」
...びしょびしょと雨滴(あまだ)れの音が軒の樋(とい)をつたって落ちた...
田山花袋 「田舎教師」
...びしょびしょにぬれて投げ出された数株の菱を見て...
寺田寅彦 「試験管」
...直にびしょびしょ消えて行った...
徳田秋声 「あらくれ」
...びしょびしょ茶の零(こぼ)れている新聞紙などが散らかっていた...
徳田秋声 「黴」
...雨びしょびしょ...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...こんなにびしょびしょにしてしまったじゃないの!』というのは...
ナサニエル・ホーソン Nathaniel Hawthorne 三宅幾三郎訳 「ワンダ・ブック――少年・少女のために――」
...部屋は割れたガラスや陶磁器が散乱し、床は汚水でじめじめ、びしょびしょ...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「死の川」
...一軒一軒見てまわっていました」びしょびしょの私をつかまえた中年の警官は...
山川方夫 「演技の果て」
...口や手指をびしょびしょにしながら桃にかぶりつき...
山本周五郎 「契りきぬ」
...びしょびしょと重い足で帰って来た...
吉川英治 「宮本武蔵」
...靴へはびしょびしょに唾(つば)をひっかけた)――父(とう)さんと散歩に行くの...
ルナアル Jules Renard 岸田国士訳 「にんじん」
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