...その上早く女親に別れましたせゐか、思ひやりの深い、年よりはませた、悧巧な生れつきで、年の若いのにも似ず、何かとよく氣がつくものでございますから、御臺樣を始め外の女房たちにも、可愛がられて居たやうでございます...
芥川龍之介 「地獄變」
...」先生の声にひやりとすると...
泉鏡花 「薄紅梅」
...左の手は、ひやりとした...
泉鏡花 「女客」
...身体が少しひやりとした...
魯迅 井上紅梅訳 「薬」
...ちツとも思ひやりがないんだ――このちく/\するのが...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...ひやりと致しました...
太宰治 「右大臣実朝」
...ひやりとしたのである...
太宰治 「服装に就いて」
...何か冷たいものがひやりと背筋を走り...
徳田秋声 「縮図」
...一寸ひやりとする温かさで...
豊島与志雄 「月かげ」
...少しばかりひやりとする...
中里介山 「大菩薩峠」
...その思ひやりのない...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...そりや可愛い娘ですよ」「ひどく思ひやりがあるんだね」「でも...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...我(わ)が身(み)のみすぼらしきに姉(あね)の肩身(かたみ)を思(おも)ひやりて...
一葉女史 「大つごもり」
...粹とやら通とやら鶯なかせし末の人こそ奧ふかきおもひやりは有るもの...
樋口一葉 「花ごもり」
...彼女の思ひやりのある選擇を謝した...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...のろのろと歩いてゐる素足にひやりと冷気を覚え...
北條民雄 「青春の天刑病者達」
...めりめりひやりと鳴る音にそりゃ地震よ雷よ...
南方熊楠 「十二支考」
...ひやりとしたものを感じた...
蘭郁二郎 「夢鬼」
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