...寂寞として見えた――風は終日(ひねもす)無かった...
泉鏡花 「婦系図」
...13ひねもすを嗟嘆する 南の色の薔薇の花...
大手拓次 「藍色の蟇」
...ひねもす清渓に釣する翁の...
大町桂月 「月譜」
...ひねもす薫習(くんじふ)の沼(ぬ)の氣(け)に染みてたゆたひぬ...
薄田泣菫 「泣菫詩抄」
...彼女は終日(ひねもす)この恐ろしい災難をとやかく思い煩うて...
――モウパンサン―― 辻潤訳 「頸飾り」
...春としなれば山奧のふかい森の中でもくされた木株の中でもうごめくみみずのやうに私のたましひはぞくぞくとして菌を吹き出すたとへば毒だけ へびだけ べにひめぢのやうなものかかる菌の類はあやしげなる色香をはなちてひねもすさびしげに匂つてゐる...
萩原朔太郎 「青猫」
...みよ、ひねもす、この重たい密房の扉から、私の青白い病氣の肉體が、影のやうに出入し、幽靈のやうに消滅する...
萩原朔太郎 「散文詩・詩的散文」
...ああ故郷にあればいのち青ざめ手にも秋くさの香華おとろへ青らみ肢體に螢を點じひねもす墓石にいたみ感ず...
萩原朔太郎 「蝶を夢む」
...ひねもすけふも光れるぞ...
萩原朔太郎 「吹雪」
...ひねもす生殖のいとなみ……それでよいではございませんか...
林芙美子 「新版 放浪記」
...「ひねもすのたりのたり」の海辺に拉し去られた快は...
牧野信一 「坂道の孤独参昧」
...雨が降る――風が吹く土(つち)のお宮は淋しかろ 寒かろう送ってあげたや紅の地に金糸の花を縫い取って真綿を厚く夜の衣(きぬ)それにそえては虹のよな糸でかがった小手毬を――日はひねもす夜は夜もすがら銀の小針をはこばせて縫いは縫うたが悲しやな送りたいにもつてはなし土のお宮にただ一人妹(いも)を送りし姉娘縫いあげし衣(きぬ)手に持ちてわびしく一人たたずめる...
宮本百合子 「悲しめる心」
...「見ずもあらず見もせぬ人の恋しくてひねもす今日はながめ暮らしつ」という古歌を引いて書いてある所を御覧になった時に...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...ひねもす坐してわが寂しさに触れんとはせり...
室生犀星 「性に眼覚める頃」
...終日(ひねもす)の舟行(しゅうこう)なので...
吉川英治 「私本太平記」
...終日(ひねもす)...
吉川英治 「新書太閤記」
...世間は終日(ひねもす)...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...終日(ひねもす)...
吉川英治 「宮本武蔵」
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