...ひねもすのたたかひの名残(なごり)の声か...
石川啄木 「詩」
...ひねもす、日はただサルオガセのまといついた一本のエゾ松が立っている荒れた沼地の表面を照らし、小さな鷹が頭上を舞い、シジュウカラが常磐木(ときわぎ)の葉がくれにさえずり、シャコと兎がその下にこそこそやっている...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...ひねもすうすぐらいお部屋のおくにとじこもっていらしってしょざいなくおくらしなされましては...
谷崎潤一郎 「盲目物語」
...ひねもす御しゅえんがござりまして...
谷崎潤一郎 「盲目物語」
...されば料理の材料おのづから粗悪となりてこれを食(くら)へば終日(ひねもす)胸苦(むなぐる)しきを覚ゆ...
永井荷風 「矢はずぐさ」
...ひねもす彼は、服従でうんざりしてゐた聡明な彼、だがあのいやな顔面痙患つてをり、その目鼻立ちの何処となく、ひどい偽嬌を見せてゐた...
ジャン・ニコラ・アルチュール・ランボー Jean Nicolas Arthur Rimbaud 中原中也訳 「ランボオ詩集」
...ひねもすけふも光れるぞ...
萩原朔太郎 「吹雪」
...ひねもす生殖のいとなみ……それでよいではございませんか...
林芙美子 「新版 放浪記」
...終日(ひねもす)寢(ね)て居(い)ても咎(とが)むる人(ひと)は無(な)し...
樋口一葉 「われから」
...行い澄ました顔でひねもす長い胴着を編みかえし...
久生十蘭 「我が家の楽園」
...捕虫網をかついでひねもす野山を駆け廻る習慣だが...
牧野信一 「川蒸気は昔のまゝ」
...(七月二十九日)七十九○夏の長き日を愛すといへる唐のみかどの悟りがほなるにひきかへ我はかび生(お)ふる寝床の上にひねもす夜もすがら同じ天井を見て横たはることのつらさよ...
正岡子規 「病牀六尺」
...終日(ひねもす)兀坐(こつざ)するわが読書の窓下(そうか)に...
森鴎外 「舞姫」
...(c)ひねもす的を射る時は...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...春のひねもすを舞い明かし舞い暮しているとも考えられる...
夢野久作 「能とは何か」
...終日(ひねもす)...
吉川英治 「新書太閤記」
...遂にひねもすの山狩むなしく見ることができなかった...
吉川英治 「増長天王」
...終日(ひねもす)...
吉川英治 「平の将門」
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