...よくも仮面をかぶって人を陥れたという女らしいひねくれた妬(ねた)みひがみが...
有島武郎 「或る女」
...其事を傳へ聞いて平田や加藤などは何故塀和は此頃あんなにひねくれたのであらう...
高濱虚子 「俳諧師」
...頭の悪いひねくれた哲学を振りまわしはじめるのだった...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「イオーヌィチ」
...凸凹していたり曲率があったりしてひねくれた歪曲したものであっては困る...
戸坂潤 「認識論とは何か」
...ひねくれた中年の苦労人に成上っていた...
中島敦 「盈虚」
...もし自分の憤りが単にひねくれた邪推にすぎなかつたとしたら本当に気の毒な事をした...
長與善郎 「青銅の基督」
...ひねくれたあの男は...
林芙美子 「新版 放浪記」
...何と云うひねくれたひとであろうかとやりきれなくなって来る...
林芙美子 「新版 放浪記」
...こんないい加減な生活をつづけていると、いまに、夢も希望もなくなり、ひねくれた、意地の悪いオールドミスになるだろう...
久生十蘭 「あなたも私も」
...やきつくようなわれわれの目の下にひねくれた片桐松川の水の輝きがあったからだ...
細井吉造 「二つの松川」
...この傾斜ではお伽話はやめてこはれたオペラグラスでアラベスク風な雨をごらんひととき鳩が白い耳を洗ふとシガーのやうに雲が降りて来てぼくの影を踏みつけてゐる光のレエスのシヤボンの泡のやうに静かに古い楽器はなり止むそして…………隕石の描く半円形のあたりでそれはスパアクするカアブする匂ひの向ふに花がこぼれる優しい硝子罎の中ではひねくれた愛情のやうにぼくがなくした時刻をかみしめるぼくはぼくの歌を忘れてゐる...
森川義信 「歌のない歌」
...どうやら少々気むずかしい・ひねくれた・気分から生れたもののようだが...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...わざとらしき釉、ひねくれた姿、人々はそれを雅致(がち)だと思い込むほど盲目になった...
柳宗悦 「北九州の窯」
...ひねくれた松の樹を歌に詠む義理はない...
柳田国男 「雪国の春」
...ひねくれた心の苦しみと申すものだろうかとも...
横光利一 「旅愁」
...かれのひねくれた快感に充分なる満足をさせてやった...
吉川英治 「大岡越前」
...ひねくれた少年だった...
蘭郁二郎 「夢鬼」
...また伎楽面に比してひねくれた美しさであるとも言えるであろう...
和辻哲郎 「能面の様式」
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