...さてはひと時の美觀のために...
ハンス・クリスチアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 森鴎外訳 「即興詩人」
...過ぎにしも過ぎせぬ過ぎしひと時に...
上田敏 上田敏訳 「海潮音」
...夜のひと時はこの部屋に...
小穴隆一 「二つの繪」
...ひとえに万全なる軍備の補強にありてひと時も忘れざるなり...
リットン・ストレチー Lytton Strachey 片岡鉄兵訳 「エリザベスとエセックス」
...病苦にもそれを忘却に包むひと時がなかったが...
鷹野つぎ 「窓」
...ひと時も早く、その二品を江戸までとどけなければなりません...
豊島与志雄 「鬼カゲさま」
...駅員はその傍に立って、ひと時、顔を見ていたが、いかにも異様なので、そっと手に触ってみると、氷のように冷たくなっている...
久生十蘭 「悪の花束」
...そういうひと時、深夜の寂寞を破って、並々ならぬ叫び声が銀座四丁目の四角で起った...
久生十蘭 「魔都」
...」男はそう言ながら、ひと時、いかにもいたいたしそうな目つきで女を見た...
堀辰雄 「曠野」
...人氣のない牧場をひと時疾驅したおかげで...
堀辰雄 「春日遲々」
......
正岡子規 「古池の句の弁」
...ひと時は目に見しものをかげろふのあるかなきかを知らぬはかなき(晶子)宇治の山荘では浮舟(うきふね)の姫君の姿のなくなったことに驚き...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...静かな吹きはじまりのひと時は...
室生犀星 「荻吹く歌」
...みやこに上られてから四百何十日のあいだにお文おかきあそばすひと時もなかったとは...
室生犀星 「津の国人」
...それでなくともこの元旦のひと時は飯尾さんにとっては一年中での緊張の極点であったらしい...
矢田津世子 「父」
...ひと時の旅路をふり返る余裕も出来て来るのだった...
横光利一 「旅愁」
...夜のひと時を自分のランプのほとりで...
レスコーフ Nikolai Semyonovich Leskov 神西清訳 「真珠の首飾り」
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