...ひたひたと自分に近づいた...
有島武郎 「かんかん虫」
...その跡を慕って大鯰(おおなまず)が池から雫(しずく)をひたひたと引いて襲う気勢(けはい)がある...
泉鏡花 「怨霊借用」
...水は胸から首へひたひたとせまってきた...
海野十三 「恐竜島」
...ひたひたと女の四肢が震えたかと思うと...
海野十三 「不思議なる空間断層」
...廊下の冷さが足裏からひたひたと心に触れた...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...ひたひたと尾(つ)いて行った...
徳田秋声 「足迹」
...ひたひたとした波の音に聞き入りながら...
豊島与志雄 「人間繁栄」
...日の光がひたひたと寄せてくる...
豊島与志雄 「春」
...ひたひたと押寄せては来ないが...
中里介山 「大菩薩峠」
...水はひたひたとはいあがってきて...
新美南吉 「川」
...茫漠(ぼうばく)とした孤独感のみがひたひたと胸をひたした...
火野葦平 「糞尿譚」
...対象にひたひたとよって行く感じは...
宮本百合子 「あられ笹」
...私の心は珍しいことにときめく」ひたひたと寄り添ってこんな戯れを源氏は言うのである...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...恋しい悲しいとひたひたと迫って言うことはないが...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...英也と季(すゑ)の叔父の清(きよし)とは四五年振(ぶり)に身体(からだ)をひたひたと寄せてなつかしげに語るのであつた...
與謝野晶子 「帰つてから」
...――そして来るべきものはひたひたと月日がついに帝をも浸(ひた)してきた...
吉川英治 「私本太平記」
...ひたひたと門の外へ出て行きかけた...
吉川英治 「宮本武蔵」
...ひたひたと瀬につきそうな危い板橋を渡ってみると...
若山牧水 「みなかみ紀行」
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