...車輪を洗ふ許りに涵々(ひたひた)と波の寄せてゐる神威古潭(かむゐこたん)の海岸を過ぎると...
石川啄木 「札幌」
...ひたひた軽く寄せて来る...
泉鏡花 「悪獣篇」
...しかもひたひたと...
岩野泡鳴 「耽溺」
...廊下の冷さが足裏からひたひたと心に触れた...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...爛眼(ただらめ)の入日の日ざしひたひたと水錆(みさび)の面にまたたくに見ぞ醉ひしれて...
薄田泣菫 「泣菫詩抄」
...濃青(こあを)の瞳子(ひとみ)ひたひたのみ空と海の接吻(くちづけ)を...
薄田泣菫 「泣菫詩抄」
...滿ち潮のように彼の魂をひたひたと滿した...
ドストエーフスキイ 神西清訳 「永遠の夫」
...ひたひたと、足先の岸べにかすかな水音がする...
豊島与志雄 「山上湖」
...ひたひたと迫ってくる...
豊島与志雄 「山上湖」
...河の小波(さざなみ)が岸にひたひたと音をたてていた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...ひたひたと竹槍同士の対抗の形となって...
中里介山 「大菩薩峠」
...地方のそれぞれの首振りや小財閥とこの独占会社とがガッチリ結んで居る事は直接にひたひたと体験が出来るのである...
中里介山 「百姓弥之助の話」
...かなし船唄ひたひたと...
ジャン・ニコラ・アルチュール・ランボー Jean Nicolas Arthur Rimbaud 中原中也訳 「ランボオ詩集」
...随所にひたひたと迫られる流麗なる情感を見出して...
牧野信一 「月評」
...暫くすると、乾(いぬい)、巽(たつみ)の二つの門から、ひたひたと、夜の潮のように、おびただしい人馬が、声もなく火影(ほかげ)もなく、城内にはいって来た...
吉川英治 「三国志」
...ひたひた尾(つ)けて行く者があった...
吉川英治 「私本太平記」
...やがてひたひたと土御門高倉のまわりを厚くとりかこみはじめたのだった...
吉川英治 「私本太平記」
...ひたひたと接吻(くちづけ)に似た音をひそめている...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??