...ひさしを貸して母屋まで……とつまらぬ俚諺に思いあたってつい苦笑せざるを得ません...
上村松園 「画室談義」
...喫ひさしの煙草は段々短くなつて来た...
薄田泣菫 「茶話」
...或る農夫の悦び・植ゑた田をまへにひろげて早少女の割子飯・田植もすましてこれだけ売る米もあつて・足音は子供らが草苺採りにきたので・夕凪の水底からなんぼでも釣れる・露けき紙札『この竹の子は竹にしたい』・ほんとにひさしぶりのふるさとのちしやなます(改作再録)山口後河原風景・おいとまして葉ざくらのかげがながくすずしく木かげがあれば飴屋がをれば人が寄つて・ま夏ま昼の火があつて燃えさかる大橋小橋...
種田山頭火 「其中日記」
...隣の廂間(ひさしあい)から差す空の薄明りに戦(そよ)いでいた...
徳田秋声 「黴」
...庇(ひさし)髪の女学生二人...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...庇(ひさし)の上の踏板を...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...ひさし髪の大きかった写真を古ぼけた箪笥(たんす)の底にひっくり返してみると懐しい昔の夢が段々蘇(よみがえ)って来る...
林芙美子 「新版 放浪記」
...久振(ひさしぶ)りだから乗ろうと云(いっ)て...
福澤諭吉 「福翁自伝」
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逸見猶吉 「逸見猶吉詩集」
...ひさしぶりで家族のものと共に休暇を過したのち...
堀辰雄 「モオリス・ド・ゲランと姉ユウジェニイ」
...鳥打帽子の前(ひさし)を眉の下まで降し...
牧野信一 「「悪」の同意語」
...それだのに同(おな)じ雪(ゆき)を戴(いたゞ)いたこゝの庇(ひさし)は...
水野仙子 「日の光を浴びて」
...吸ひさしではあるが...
宮地嘉六 「老残」
...(彼等は女兵士達のすてた口紅のついた吸ひさしの巻煙草をスミレと称してよろこぶ)...
宮地嘉六 「老残」
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三好達治 「測量船」
...玄関の庇(ひさし)は歪(ゆが)み...
山本周五郎 「赤ひげ診療譚」
...廂(ひさし)を打つ落葉の音が...
吉川英治 「大岡越前」
...吟味の東ノ廂(ひさし)を震駭(しんがい)させた...
吉川英治 「私本太平記」
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