...伯爵は沈黙久(ひさし)ゅうして後...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「鉄の処女」
...試(こころみ)に寺院の屋根と廂(ひさし)と廻廊を見よ...
永井荷風 「日和下駄」
...廂(ひさし)の最中(まんなか)から下(さが)っている白い紐(ひも)などはいかにも閑静に見えた...
夏目漱石 「行人」
...また廂(ひさし)の先に横(よこた)わる蒼空(あおぞら)を下から透(すか)すように望んだ...
夏目漱石 「行人」
...ひさしをたたく雨の音がますますはげしく...
野村胡堂 「幻術天魔太郎」
...平次はいきなり廂(ひさし)から飛出さうとしましたが...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...大風の吹く日は外出を禁じ庇(ひさし)や屋根に水を打たせ...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...駅の廂(ひさし)のところに立つてゐる富岡のそばへ...
林芙美子 「浮雲」
...古風なひさし髪に一糸乱れず結び上げ...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...忍ぶ草の生(お)い茂った門の廂(ひさし)が見上げられた...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...まことわが心ひさしく荒みたり...
室生犀星 「忘春詩集」
...年歴久(ひさしう)して天満天神の祠となすのみ...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...しんしんと庇(ひさし)を打つ雨の音に聴きいっていた...
山本周五郎 「桑の木物語」
...廂(ひさし)に吊ってある青銅の古雅な風鈴をはずして...
山本周五郎 「日本婦道記」
...納屋の物置の廂合(ひさしあ)いの下に来た...
夢野久作 「笑う唖女」
...京極家の廂(ひさし)に隠れて生き永らえようとする卑怯者...
吉川英治 「剣難女難」
...寺の廂(ひさし)か...
吉川英治 「新書太閤記」
...やがて善信はひさしぶりに自分の一室に落着いた...
吉川英治 「親鸞」
便利!手書き漢字入力検索