...嘘(うそ)のようにぱたぱたと死んで行った...
芥川龍之介 「大導寺信輔の半生」
...ぱたぱたと、我ながら慌(あわただ)しく跫音(あしおと)立てて、一文字に駈けつけたが、室へ入口で、思わず釘附にされたようになった...
泉鏡花 「婦系図」
...ぱたぱたぱた水の中でもがく...
板倉勝宣 「山と雪の日記」
...畑の土のついた地下足袋をぱたぱたと叩き合せて...
犬田卯 「錦紗」
...大胆にも砂の上をぱたぱたと踏んで...
海野十三 「火星探険」
...ぱたぱたと足音のようなものを耳にした...
海野十三 「火星兵団」
...声のかわりに玉太郎の肩をぱたぱたとたたき...
海野十三 「恐竜島」
...廊下にぱたぱたとスリッパの音がして...
江戸川乱歩 「おれは二十面相だ」
...ぱたぱた鳴りましょう...
竹内浩三 「入営のことば」
...ランタアンさげて腐りかけた廊下の板をぱたぱた歩きまはるのであるが...
太宰治 「音について」
...ぱたぱた歩いてはころび...
太宰治 「津軽」
...それからぱたぱたと話が極まり...
谷崎潤一郎 「細雪」
...ぱたぱたとね...
林芙美子 「梟の大旅行」
...ぱたぱた 小さな足音...
ロバアト・ブラウニング 楠山正雄訳 「魔法の笛」
...降ろしたブラインドが風でぱたぱた揺れているから...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「黄金薔薇」
...『だって向うの三角旗や何かぱたぱた云ってます...
宮沢賢治 「風野又三郎」
...黄色い羽根を拡げてぱたぱたと裏塀の上を飛び廻った...
横光利一 「上海」
...「……おい、荷十郎」「うむ?」「門をはいって来るところを確かに見たのか」「見た」「じゃあもう、これへ見えそうなものじゃないか」「来んなあ」「……遅すぎる」「はて」「人違いじゃなかったのか」「そんなことはない」厳(いかめ)しく床を占めて、坐っていた面々も、ふと、間拍子が抜けて、自分の緊張に、自分で力負けを覚えかけて来た頃、ぱたぱたと、草履の音が、控部屋(ひかえべや)の窓の外に止まって、「御一同」と、外から、同輩の顔が一つ、背伸びして、中を覗きこんだ...
吉川英治 「宮本武蔵」
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