...犬はぱたぱたと尾を振る...
石川啄木 「散文詩」
...ぱたぱたぱた水の中でもがく...
板倉勝宣 「山と雪の日記」
...大胆にも砂の上をぱたぱたと踏んで...
海野十三 「火星探険」
...アシガラはぱたぱたとびまわります...
海野十三 「電気鳩」
...廊下にぱたぱたとスリッパの音がして...
江戸川乱歩 「おれは二十面相だ」
...ランタアンさげて腐りかけた廊下の板をぱたぱた歩きまわるのであるが...
太宰治 「音に就いて」
...私たちは卓をぱたぱた叩いたり舌打したりして大騷ぎをした...
太宰治 「思ひ出」
...さて平手でぱたぱたと背中をたたいたあとで...
寺田寅彦 「自由画稿」
...やがてぱたぱた書斎中を叩(たた)き散らす音がするのは例によって例のごとき掃除を始めたのである...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...頭の上で布がぱたぱた鳴ったが...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「城」
...ぱたぱた屋根を打つ音と...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「諜報部」
...交互にぱたぱたと...
本庄陸男 「石狩川」
...」西の山地から吹(ふ)いて来たまだ少しつめたい風が私の見すぼらしい黄いろの上着(うわぎ)をぱたぱたかすめながら何べんも通って行きました...
宮沢賢治 「サガレンと八月」
...ぱたぱた払っていた...
室生犀星 「お小姓児太郎」
...爺さんは背中へ団扇の手をまわしてぱたぱたと喧しく蚊を追い払った...
矢田津世子 「神楽坂」
...一疋の蛾が彼女の片手に拂はれてぱたぱたと疊の上で藻掻いてゐた...
横光利一 「蛾はどこにでもゐる」
...黄色い羽根を拡げてぱたぱたと裏塀の上を飛び廻った...
横光利一 「上海」
...「……おい、荷十郎」「うむ?」「門をはいって来るところを確かに見たのか」「見た」「じゃあもう、これへ見えそうなものじゃないか」「来んなあ」「……遅すぎる」「はて」「人違いじゃなかったのか」「そんなことはない」厳(いかめ)しく床を占めて、坐っていた面々も、ふと、間拍子が抜けて、自分の緊張に、自分で力負けを覚えかけて来た頃、ぱたぱたと、草履の音が、控部屋(ひかえべや)の窓の外に止まって、「御一同」と、外から、同輩の顔が一つ、背伸びして、中を覗きこんだ...
吉川英治 「宮本武蔵」
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