...あたまの上ではくちょうの翼がばさばさ鳴る音で目がさめました...
ハンス・クリスティアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 楠山正雄訳 「野のはくちょう」
...ばさばさと引裂(ひっさ)いて...
泉鏡花 「婦系図」
...姉はばさばさ掃き立てている...
伊藤左千夫 「紅黄録」
...月に照らしだされたところでは、彼の顔は無精(ぶしょう)ひげでおおわれ、頭もばさばさ、身体の上にはたくさん着ていたが、ズボンもジャケツも外套(がいとう)もみんなひどいもので、破れ穴は数えられないほど多いし、ほころびたところはそのままで、ぼろが下っていた...
海野十三 「少年探偵長」
...この夏中さしわたし二尺あまりもある大きな葉の面に思うまま日光を吸うていた窓さきの桐の葉がばさばさと半分ばかり落ちてしまった...
大杉栄 「獄中消息」
...いけすはばさばさとゆれる...
大手拓次 「藍色の蟇」
...ばさばさ使いはじめた...
太宰治 「彼は昔の彼ならず」
...五六尺もある怪物がばさばさとやって来て...
田中貢太郎 「怪談覚帳」
...触るたびにばさばさと大げさな音をたて...
田畑修一郎 「医師高間房一氏」
...ばさばさしたような目に潤いがなかった...
徳田秋声 「あらくれ」
...ばさばさした襁褓(むつき)を配(あてが)ってやった...
徳田秋声 「黴」
...赤茶けた、澤(つや)のない、ばさばさ髪、高い頬骨、肩掛をはづした女の顏は見違へる程痩せてゐた...
南部修太郎 「ハルピンの一夜」
...ばさばさになつて風になびいてゐる...
北條民雄 「青年」
...踏みわけた草の中をばさばさと近づいて来る彼のうしろで...
本庄陸男 「石狩川」
...ひろい葉の表に雨はばさばさと砕けていた...
本庄陸男 「石狩川」
...人夫はばさばさとヨシの中に歩いて行った...
本庄陸男 「石狩川」
...自分は油無しのばさばさの髮を...
水上瀧太郎 「貝殼追放」
...いやに動物的にうねくって縺れ合った檳榔樹の体やばさばさふりかぶった葉を見...
宮本百合子 「九州の東海岸」
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