...かつて木部孤に嫁(か)してほどもなく姿を晦(くら)ましたる莫連(ばくれん)女某が一等船客として乗り込みいたるをそそのかし...
有島武郎 「或る女」
...わたしはまだあなたに肌(はだ)を御覧に入れるほどの莫連者(ばくれんもの)にはなっていませんから……」そう小さな声でいって悠々(ゆうゆう)と手術室にはいって行った...
有島武郎 「或る女」
...莫連女(ばくれんおんな)の正体を完全に暴露した...
橘外男 「グリュックスブルグ王室異聞」
...ちょっとした笑い方が何ともいえない莫連者(ばくれんもの)らしい悪性(あくしょう)な感じがした...
近松秋江 「うつり香」
...……お前柳沢に逢(あ)ったの?」「ほほほほ」お宮は莫蓮者(ばくれんもの)らしい妖艶(ようえん)な表情(かおつき)をして意味ありそうに笑った...
近松秋江 「うつり香」
...彼女も村では正札附の莫連者(ばくれんもの)で...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...母は莫連者(ばくれんもの)...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...莫連(ばくれん)お広(ひろ)も亡くなりました...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...許した限りの男の定紋をほりものにして肌に刻んだ莫連者(ばくれんもの)――蛇責めにあったという反逆の女性...
中里介山 「大菩薩峠」
...煮ても焼いても食えない莫連者(ばくれんもの)であるか...
中里介山 「大菩薩峠」
...そうした留女のような莫連女(ばくれんおんな)と同棲したからこそ美妙は...
長谷川時雨 「田沢稲船」
...なんとなく莫蓮(ばくれん)になって来た...
長谷川時雨 「田沢稲船」
...莫蓮女(ばくれんおんな)のようにさえ評判された...
長谷川時雨 「田沢稲船」
...一と皮剥(む)けばあれで相当なばくれんだよ」例の如きもので...
山本周五郎 「季節のない街」
...ばくれん女のそろっている小屋者の女も男も...
吉川英治 「江戸三国志」
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