...そういう男に対して葉子は今までなんの興味をも感じなかったばかりか...
有島武郎 「或る女」
...ところが、彼はそれを読んでも、平気なばかりか、却って明智が呑気相(のんきそう)にいたずら書きをしているのを責める様な面持である...
江戸川乱歩 「黄金仮面」
...きつと彼はそれを一笑に附してしまふばかりか...
オウ・ヘンリ 三宅幾三郎訳 「水車のある教會」
...「勝治ばかりか、お前まで、そんなに金使いが荒くては...
太宰治 「花火」
...かれはその三日前ばかりから...
田山花袋 「重右衛門の最後」
...こんな人物が現われたら――その一人だけでも悲劇を生むに十分じゃないか? そればかりか...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...彼は林檎を半分ばかりかじると...
豊島与志雄 「林檎」
...玄米ばかりかじってもいられまいじゃないか...
中里介山 「大菩薩峠」
...將來はそこでもなほ現在の維持者として依然その存在を續けるばかりか...
波多野精一 「時と永遠」
...そればかりか、先生が興味を持っていることも見逃さなかった...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「王冠の重み」
...そればかりか、一同は悲しさうにうつむいていもばかりを幾日間といふもの食べ続けて、猛烈な胸ヤケに襲はれ、谷川の水をガブ/\と飲んでは胸をさすり、また腹痛を起す者さへ出来て、終ひには、あんな提言をした私に向つてのろひをふくむ眼を示す者さへ現れたのであつた...
牧野信一 「ビルヂングと月」
...ばかりか、日一日と重なり重なってこの自分を、押し潰してしまおうとするもののようにさえ考えられた...
正岡容 「小説 圓朝」
...インド人はハヌマン猴が殺された処に住む人はやがて死ぬばかりか...
南方熊楠 「十二支考」
...背丈のちぢんだ走力のよわった脚のものにしたばかりか...
宮本百合子 「現代の主題」
...意味が解りにくいばかりか...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...その証拠には天国にあこがれて自殺をする坊さんは出て来ないばかりか...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...期日をすぎても返さぬばかりか...
矢田津世子 「※[#「やまいだれ+句」、第4水準2-81-44]女抄録」
...まかり違えば二人の命にかかわるばかりか...
山本周五郎 「風流太平記」
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