...人間ばかりは已む時なく肉慾の為めにさいなまれなければならぬ...
有島武郎 「惜みなく愛は奪う」
...不思議に気にばかりなったのは...
岩野泡鳴 「猫八」
...北からもうすこしばかり身にこたえる風が吹きさえすればいつでもかれらの生命の糸を断ち切ることはたやすいことだ...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...そう云うことがあってから十箇月ばかりを経...
谷崎潤一郎 「少将滋幹の母」
...晋作はなお煮えきらない返辞ばかりして...
豊島与志雄 「白血球」
...半時ばかりの間、瞬きもせずに睨(にら)んでいたが、やがていかなる隙を見出しけん、巌(いわお)も通れと突き出す槍先、和尚の胸板(むないた)を微塵(みじん)に砕いたと思いきや、和尚が軽く身を開いて、両の手に持った椀を合せて槍の蛭巻(ひるまき)をグッと挟んでしまいました...
中里介山 「大菩薩峠」
...また五分間ばかり途絶(とだ)える...
中里介山 「大菩薩峠」
...彼女はそこだと云わぬばかりにただ微笑した...
夏目漱石 「明暗」
...」母からの手紙は暗に鬱憤を晴らさんと云はんばかりの皮肉まじりで...
牧野信一 「風流旅行」
...とてもばかげたことなの...
ルイザ・メイ・オルコット L. M. Alcott 水谷まさる訳 「若草物語」
...ただ現象ばかり追っかけるリアリズムでは現実を芸術として再現することさえ不可能であるということを示している...
宮本百合子 「行為の価値」
...宿直(とのい)する人が出過ぎたことばかりを言うようになりまして困ります...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...前の勲章を破滅させたばかりのあの同じ不都合になやまされることとなろう...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...なぜ彼らにばかりあって我々にはないのか...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...三人ばかり益山郁之助のほうへ駆けていった...
山本周五郎 「いさましい話」
...五尺ばかりの自然石に刻して一基の碑石を建てたのが...
山本笑月 「明治世相百話」
...今逃げたばかりだッていうから...
吉川英治 「江戸三国志」
...もうとっぷり夜になりますだが」「ムム」「ようがすかね」「ウム」何をいっても頷(うなず)いてばかりいるのだ...
吉川英治 「宮本武蔵」
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