...たった三町ばかりの間に人力車(じんりきしゃ)を七台踏みつぶしたそうである...
芥川龍之介 「馬の脚」
...透(すき)なく打った細い杭(くい)と見るばかり...
泉鏡花 「絵本の春」
...あなたばかり來て...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...一人の雛妓が少しばかりかゝっただけで...
谷崎潤一郎 「幇間」
...容易に飲み込めないような人ばかりであった...
田山花袋 「トコヨゴヨミ」
...あなた買ってくれる?」お宮は眩(まぶ)しいばかりに飾った半襟屋(はんえりや)の店頭(みせさき)に立ちどまってそこに懸(か)けつらねた細くけを捻(ひね)りながらいった...
近松秋江 「うつり香」
...手水鉢(ちょうずばち)の向かいの梅の枝に二輪ばかり満開したのがある...
寺田寅彦 「どんぐり」
...三十分ばかりで御免蒙るよ...
豊島与志雄 「自由人」
...それが一時間ばかり続くと...
豊島与志雄 「土地」
...さうしてとりかへしのつかない悔恨ばかりが野鼠のやうに走つて行つた...
萩原朔太郎 「青猫」
...こんな奇妙な路地があったかと驚くばかり...
橋本五郎 「地図にない街」
...お麻さんはいつもそれらの後始末ばかりしていたが...
長谷川時雨 「お墓のすげかえ」
...やがて二時間ばかりして...
林芙美子 「屋久島紀行」
...五日ばかり前に東京へ着いて...
久生十蘭 「春雪」
...にはかに激しい雨が私の呼吸を圧するばかりに降つて参りました...
牧野信一 「嘆きの孔雀」
...金髪の若々しい母親が白い服を着せた生れたばかりの赤児を抱いて...
宮本百合子 「明るい工場」
...――この女房ばかりは...
吉川英治 「新書太閤記」
...およそ二十日ばかり前...
吉川英治 「宮本武蔵」
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