...そこへ例の鳶(とび)の声がはるかな青空の向うから...
芥川龍之介 「戯作三昧」
...一般に考えられているよりもはるかに多かつたにちがいないのである...
伊丹万作 「戦争責任者の問題」
...平日の便利(べんり)井戸よりもはるかに勝(まされ)り...
京山人百樹刪定 「北越雪譜」
...それは日本人の実生活とははるかにかけはなれたものであり...
津田左右吉 「〔『支那思想と日本』初版〕まえがき」
...けんめいに抵抗する克子は健よりもはるかに力があり...
壺井栄 「赤いステッキ」
...はるかに明晰(めいせき)に私の言わんと欲するところを示揚するであろう...
寺田寅彦 「連句雑俎」
...はるかにはるかに向うまで続いている銀の廊下が...
夢野久作 「ルルとミミ」
...みはるかす田畠(でんぱた)は砂漠と化した...
ジャン・ニコラ・アルチュール・ランボー Jean Nicolas Arthur Rimbaud 中原中也訳 「ランボオ詩集≪学校時代の詩≫」
...遥(はるか)の先でおおいと云う反響があった...
夏目漱石 「坑夫」
...雪線よりはるか上の高山に降る雪は...
久生十蘭 「白雪姫」
...はるかなる島蔭の灯台の廻りに生えている車前草(おんばこ)を採集に出掛けるのであった...
久生十蘭 「ノンシャラン道中記」
...牛がいやいやをすると剣ははるか向うへけし飛んでしまった...
久生十蘭 「ノンシャラン道中記」
...はるか北西の碧海島のあたりをゆびさした...
平田晋策 「昭和遊撃隊」
...ある時は目もはるかに計りがたく大きな火をも燃やすだろうと母マルグヴェンは信じていた...
フィオナ・マクラウド Fiona Macleod 松村みね子訳 「髪あかきダフウト」
...それからまたその蟹を持出(もちだ)して海上はるかの沖の...
柳田国男 「母の手毬歌」
...はるか東坂下の荼毘所(だびしょ)で...
吉川英治 「私本太平記」
...はるかに高い健康な信念の中に呼吸していた...
吉川英治 「宮本武蔵」
...ずつと見はるかす左手の海の面がいかにも目新しく眺められて...
若山牧水 「岬の端」
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