...遥(はるか)なる向の坂をいま蜿(うね)り蜿りのぼり候首尾(しゅび)の全(まった)きを...
泉鏡花 「凱旋祭」
...内容の方がはるかに重大な事なのであります...
伊藤野枝 「背負ひ切れぬ重荷」
...今の博士よりも遥(はるか)にヨリ以上重視された文学士の肩書を署した春廼舎の新作は忽(たちま)ち空前の人気を沸騰し...
内田魯庵 「二葉亭四迷の一生」
...同じように双眼鏡を眼にあててはるか北の方の水平線を眺めている...
海野十三 「浮かぶ飛行島」
...天狗岩から天空はるかに飛去ったのにちがいない...
海野十三 「火星兵団」
...はるかに海水を伝わってきこえてくる海戦のひびきと戦隊司令からの無電報告とにききいった...
海野十三 「太平洋魔城」
...それは私が度々紀淡海峽で非常に荒れた日に見た怒濤よりもはるかに大きな波が荒れ狂ひ...
海野十三(佐野昌一) 「南太平洋科學風土記」
...小僧から鍛錬されたものよりははるかに弱くして...
相馬愛蔵 「私の小売商道」
...弊害よりもその與へる樂しみの方がはるかに大きいだらう...
田畑修一郎 「盆踊り」
...どこか地平のはるかな彼方(かなた)では...
ツルゲーネフ 神西清訳 「はつ恋」
...相剋(そうこく)争闘の爆音のほうが古典的和弦(かげん)などよりもはるかに快く聞かれるのであろう...
寺田寅彦 「カメラをさげて」
...このはるかな廉潔な時代の客間のありさまであった...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...こけんに拘(かゝ)はるから...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...彼の頭は夕立よりもはるか上の方にあったので...
ナサニエル・ホーソン Nathaniel Hawthorne 三宅幾三郎訳 「ワンダ・ブック――少年・少女のために――」
...はるかに人間らしさでわれわれを撃つ力をこめていた...
宮本百合子 「現代の主題」
...たとえ数では味方がはるかに優位であろうと...
吉川英治 「新書太閤記」
...遠目にもそれらが我々を傷つけ得るような状態からはるかに隔たっていることが見て取れたからだ...
H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft The Creative CAT 訳 「狂気の山脈にて」
...人間の作る機械よりもはるかに精巧な機構を持った植物が...
和辻哲郎 「寺田さんに最後に逢った時」
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