...恐れをはらんだ絶嶺(ぜつれい)の大気を貫いて思わずもきいた雷鳥の声は...
芥川龍之介 「槍が岳に登った記」
...帆は海風をいっぱいにはらんだ...
海野十三 「恐竜島」
...空気をはらんだ完全な形のそのつばさは...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...そういったお好み焼屋特有の臭いをはらんだ暖かい空気が...
高見順 「如何なる星の下に」
...一杯帆に風をはらんだ船のように...
竹久夢二 「誰が・何時・何処で・何をした」
...なかばはらんだ帆が夕日を受けてゆるやかにゆるやかに下(くだ)って行くと...
田山花袋 「田舎教師」
...中は恐ろしい不安をはらんだまま静まり返って...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...芽をはらんだ梢を風に鳴らして...
林芙美子 「下町」
...雨をはらんだ黒雲が...
平田晋策 「昭和遊撃隊」
...雪をはらんだ雲は...
堀辰雄 「ゲエテの「冬のハルツに旅す」」
...立ち直るや満身の力を込めた右腕で唸りをはらんだ半円を切ると奴の横面に稲妻のやうなパンチを喰はせた...
牧野信一 「心象風景(続篇)」
...森全体は世にも騒然たる狂躁音をはらんだ一個の共鳴箱と化して...
牧野信一 「創作生活にて」
...「はらんだといふ噂もあつたんですぜ...
牧野信一 「早春のひところ」
...何んなに此方が夢中になつて攻め寄せて行つても敵のフラツペは風をはらんだ海賊船のやうに益々順調な逆効果をあげ...
牧野信一 「読書と生活」
...微風をはらんだカーテンがふわ/\とゆらいでゐたが村井の姿は現れなかつた...
牧野信一 「南風譜」
...奴等があのやうに慌てふためいて遁走したのは私の背後に立ちあがつた低気圧をはらんだ三人の阿修羅を見てのことであつたのだらう...
牧野信一 「バラルダ物語」
...いつもいつもタンバリンのやうにじやら/\と鳴り響いて止め度もなく甘い夢をはらんだ大きな金袋をひつさげ...
牧野信一 「武者窓日記」
...満をはらんだ十四反(たん)帆は巨大な怪鳥のごとく唸(うな)りを搏(う)って進む――...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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