...その婦人に縋(すが)りついて涙を一杯留めた眼で凝乎(じっ)と老爺の方を凝視(みつめ)ているのはまだやっと十二...
橘外男 「逗子物語」
...南はまた少女の顔を待っていた...
田中貢太郎 「竇氏」
...これはまた貰いっぱなしになっている――りなんかして...
谷譲次 「踊る地平線」
...儒者はまた儒教の教としての権威を傷(きずつ)けるような事実には全く目をふさぐ...
津田左右吉 「日本に於ける支那学の使命」
...自分ではまだ時々この失くした身体の部分において苦痛を感じるように思われるということを聞いた...
デカルト Renati Des-Cartes 三木清訳 「省察」
...子供らはまたよくかやつり草を芝の中から捜し出した...
寺田寅彦 「芝刈り」
...上流の婦人等の生活はまだそう悪くはない...
豊島与志雄 「都会に於ける中流婦人の生活」
...ただその終わりの三字(訳者注 メルシとはまたありがとうという意味である)と解釈しただけであって...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...私はまだ事のきまらない先に...
夏目漱石 「私の個人主義」
...そのあとも人(ひと)びとはまわり道(みち)をつづけ...
ダグラス・ハイド Douglas Hyde 館野浩美訳 「クリナーンの御殿」
...こんな金では家族の者が利息で生活していけるなどというのにはまったくたりない...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「変身」
...こいつをいうと人にたいへんな迷惑のかかることなんだから」踏絵はまるで聞いていなかったように...
久生十蘭 「魔都」
...躍らせるものはまたとあるまい...
ナサニエル・ホーソン Nathaniel Hawthorne 三宅幾三郎訳 「ワンダ・ブック――少年・少女のために――」
...それでも會社で機械のやうに齷齪働いて居るよりはましだつた...
水上滝太郎 「大阪の宿」
...平二はまはりをよく見まはしてからまるで狼(おほかみ)のやうないやな顔をしてどなりました...
宮沢賢治 「虔十公園林」
...『毎日年鑑』はまだ出ていませんが出次第とっておきましょう...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...その顔はまた仮面のように硬ばり...
山本周五郎 「五瓣の椿」
...それから暫くはまた私も睡入られなかつたが...
若山牧水 「姉妹」
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