...外の小川にはところどころ隈取(くまど)りを作って芹生(せりふ)が水の流れを狭(せば)めている...
伊藤左千夫 「春の潮」
...政治権謀はとこしへに虐げられたる哀れな群集の称讚を歌つてゐる...
エンマ・ゴルドマン 伊藤野枝訳 「少数と多数」
...赤毛布はところどころ摺り切れていて...
梅崎春生 「黄色い日日」
...彼の上品な洋袴(ズボン)はところどころ裂け...
海野十三 「恐怖の口笛」
...稲田の間にはところどころ茗荷(みょうが)畑があり...
相馬愛蔵、相馬黒光 「一商人として」
...そりゃ内容から言ったら露伴の方が遥(はるか)に高尚だけれども文章はところどころ露伴よりも旨いと思われる処がある...
高浜虚子 「子規居士と余」
...さてはとここを取り分け丁寧に解きほぐしてゆきますと...
橘外男 「蒲団」
...幸子はところどころ想像で穴を填(う)めながら聞いて行かなければならなかった...
谷崎潤一郎 「細雪」
...青葉の奥の鐘が鳴る・蝉しぐれこゝもかしこも水が米つくながれをさかのぼりきて南無観世音菩薩・山からあふれる水の底にはところてん御馳走すつかりこしらへて待つ蜩・寝ころぶや雑草は涼しい風・道筋はおまつりの水うつてあるかなかなうらは蜩の...
種田山頭火 「行乞記」
...皿はところどころ欠けたのが二三枚あつた...
田山花袋 「ある僧の奇蹟」
...明り取りの窓硝子(ガラス)はところどころ破れ落ちかかって煤(すす)けている...
寺田寅彦 「障子の落書」
...左右の回廊にはところどころ赤い花が咲いて...
寺田寅彦 「どんぐり」
...羽目板(はめいた)はところどころずり落ち雨戸もまだついていないゆえほんの雨つゆのしのぎになるばかり...
中勘助 「島守」
...はてはところきらわず...
永井隆 「ロザリオの鎖」
...ここはところがらですから遠慮をしました...
中里介山 「大菩薩峠」
...それはところどころ川床の岩に黒ペンキで示された「監視路」の文字が...
細井吉造 「二つの松川」
...路傍にはところどころに農家らしいのが立つてゐた...
堀辰雄 「馬車を待つ間」
...「あの子はとこにはいるとすぐに目がくっつくのだから...
マロ Malot 楠山正雄訳 「家なき子」
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