...――「ま、待って、」はてな、と夫人は、白き頸(うなじ)を枕(まくら)に着けて、おくれ毛の音するまで、がッくりと打(うち)かたむいたが、身の戦(わなな)くことなお留(や)まず...
泉鏡花 「悪獣篇」
...「はてな、どういう意味かしらん」課長は、ひとりごとを言うと、腕を組んで考えこんだ...
海野十三 「火星兵団」
...「はてな、――」と思うまもなく身体は停った...
海野十三 「大空魔艦」
...「はてな、すぐ隣りにいたのに、これは何としたものじゃ」怪量は四辺(あたり)に用心しながらその傍へ近づいた...
田中貢太郎 「轆轤首」
...「はてな、懷(ふとこれ)え入(せ)えた筈(はず)だつけが」と兼(かね)博勞(ばくらう)は懷(ふところ)から周圍(あたり)を探(さが)して側(そば)へ落(お)ちた小(ちひ)さな紙包(かみづゝみ)を手(て)にして「こうれ、うめえ物(もの)見(み)ろえまあ」といつて開(あ)けて見(み)ると一寸(すん)ばかりの蟷螂(かまきり)が斧(をの)を擡(もた)げてちよろちよろと歩(ある)き出(だ)した...
長塚節 「土」
...はてなと明け放した椽側から上(あが)って主人の傍(そば)へ寄って見ると見馴れぬ客が来ている...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...はてなと腕(うで)の組(く)まれて...
樋口一葉 「われから」
...家内の容子をうかがったが――――はてな――と...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...帰って来ねえ」「はてな...
吉川英治 「大岡越前」
...「はてな、ことに依ったら今のも、いつか梅茶亭の戻りに新九郎を横奪りしたあの女郎かも知れぬ、む……」深見重左はクルリと笠を廻して、連れている四、五人の武士の中から一人をで招き寄せた...
吉川英治 「剣難女難」
...「はてな? この城中に美妓がいるな...
吉川英治 「三国志」
...「……はてな?」風の音にも心をおく身である...
吉川英治 「三国志」
...「――はてな...
吉川英治 「三国志」
...はてな?菊王はまたしても...
吉川英治 「私本太平記」
...誰が、そのような手にたぶらかされようぞ)と、相手にする者もなかったが、やがて半年経ち、一年経っても、彼の母につくす様子に少しも怠りがみえないのみか、世間の人々に対しても、思いやり深く、老幼にやさしく、身は奢(おご)らず、人には施(ほどこ)すという風なので、(はてな?)と、人々の視る眼がようやくちがってきたところへ、その老母が病んで逝去(みまか)ると、生信房のなげきは傍目(はため)にも痛々しいほどで、幾日も食を断って、母の墓掃(はかはき)に余念なく暮している様子を見、(いよいよ本ものだ)と、彼の今日(こんにち)を、世間で認めてきたのであった...
吉川英治 「親鸞」
...はてな? ……それやあどういう理(わけ)でございましょう」「だからわたしが断っておいたじゃないか...
吉川英治 「春の雁」
...はてな、どうしておれは今夜に限って、こう量を超えて飲んでしまったのか? ――武蔵は苦しいので軽い悔いを胸先へ呼びおこした...
吉川英治 「宮本武蔵」
...「……はてな、この道へ来たのは、方角を取り違えたのではないか...
吉川英治 「宮本武蔵」
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