...……しばらくそうしているうちに葉子は寒気(さむけ)がするほどぞっとおそろしくなって気がはっきりした...
有島武郎 「或る女」
...「お酒がたいへんお好きのようでございますね」「酔っぱらいで困るのです」「どれ位めしあがりますの」「さあ」飲みだすと一晩中でも飲むので己ながらはっきりした量が云えなかった...
田中貢太郎 「馬の顔」
...モデスト・アレクセーイチはなかなか信条のはっきりした人だから...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「頸の上のアンナ」
...どうも男の顔形にははっきりした見覚えはないので...
寺田寅彦 「雑記帳より(1[#「1」はローマ数字、1-13-21])」
...何らはっきりした考えも...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...その内容のはっきりしたところを知っておいてもよいであろう...
中谷宇吉郎 「宇宙旅行の科学」
...はっきりした返事をする勇気も出なかった...
夏目漱石 「三四郎」
...はっきりした見こみはつかずとも...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...……この前の四人を見ていませんからはっきりしたことも言えませんが...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...はっきりした意識をもっていたにかかわらず...
平林初之輔 「誰が何故彼を殺したか」
...はっきりした欠点は一つもない代り...
宮本百合子 「伊太利亜の古陶」
...高い張った声とはっきりした身なりは仙二がどうしても忘れる事は出来なくなった...
宮本百合子 「グースベリーの熟れる頃」
...テーマのはっきりした把握...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...はっきりしたのはごくの晩年であったということ...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...何か用かい」岡田ははっきりした声で答えた...
森鴎外 「雁」
...すなわちセクストゥス・エンピリクス Sextus Empiricus の影響下に最もはっきりしたピュロン説を述べている部分は...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...高頬の線のはっきりした顔だちは...
山本周五郎 「落ち梅記」
...むろんはっきりしたことではない...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
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