...太郎は、歩きながら、思い出したように、はたはたと、黄紙(きがみ)の扇を使った...
芥川龍之介 「偸盗」
...団扇(うちわ)にてはたはたと...
泉鏡花 「活人形」
...はたはたと扇子を使い使い来るが...
泉鏡花 「瓜の涙」
...はたはたと耳をかすめて通る風の音にまじって...
太宰治 「猿ヶ島」
...私は幸福である・ふるさとの水だ腹いつぱい・ふるさとの空の旗がはたはた・ひさびさ雨ふりふるさとの女と寝る・日向草の赤いの白いのたづねあてた□・うぶすなの宮はお祭のかざり・うぶすな神のおみくじをひく□ 展墓・おもひでの草のこみちをお墓まで夏草...
種田山頭火 「行乞記」
...海面一帯はたはたと騒ぎ立ち底の海...
知里真志保 「アイヌ宗教成立の史的背景」
...帰りましょう」はたはたとスカートの膝(ひざ)をはらい...
壺井栄 「二十四の瞳」
...カーテンがはたはたと揺めいているきりだった...
豊島与志雄 「足」
...はたはたと路傍の草花を薙伏(なぎふ)せながら先に立って...
中里介山 「大菩薩峠」
...無敵な音を立てて車輛(しゃりょう)の戸をはたはたと締めて行く...
夏目漱石 「虞美人草」
...急に胸のあたりをはたはたいわせた...
夏目漱石 「行人」
...寐付(ねつ)かれないので団扇をはたはた云はせた...
夏目漱石 「それから」
...寐付かれないので団扇(うちわ)をはたはた云わせた...
夏目漱石 「それから」
...と書いた暖簾が風にはたはたとあふられてゐる店などが並んでゐた...
北條民雄 「青年」
...鳩が二羽はたはたと羽ばたいて飛びたつ...
前田夕暮 「種紙の青む頃」
...はたはたと寒そうに鳴っていました...
宮島資夫 「清造と沼」
...障子の破れ紙がはたはたするだけで...
室生犀星 「蒼白き巣窟」
...はたはたと乱れるのを見詰めていた...
蘭郁二郎 「魔像」
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