...しかし無常の意を寓した作品はたとひ鬼趣ではないにもせよ...
芥川龍之介 「芭蕉雑記」
...上(うわ)まぶたの一文字になった目をきりっと据えてはたと貞世をにらみつけた...
有島武郎 「或る女」
...はたとやんでしまったではありませんか...
ハンス・クリスチャン・アンデルセン Hans Christian Andersen 矢崎源九郎訳 「ナイチンゲール」
...私はたとえ自分がどれほどの悪名を被せられようとも正しく生きてきた事をよろこんでいます...
伊藤野枝 「成長が生んだ私の恋愛破綻」
...この揚子江はたとえば瀬戸内海の真中から四国でも望むみたいなもんで...
高見順 「いやな感じ」
...成功というものはたとい粗末な成功にせよ...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...はたと額(ひたい)を叩(たた)きました...
豊島与志雄 「人形使い」
...はたと思い当ったのはお銀様のことであります...
中里介山 「大菩薩峠」
...毎日(まいにち)のやうに西(にし)から埃(ほこり)を捲(ま)いて來(く)る疾風(しつぷう)がどうかするとはたと止(とま)つて...
長塚節 「土」
...はたと膝を打ったとしても...
中谷宇吉郎 「神仙道と科学」
...――梭の音ははたとやんで...
夏目漱石 「薤露行」
...やがて母から遠退(とおの)いて戸口に至ってはたと動かなくなった...
夏目漱石 「虞美人草」
...時たま思ひ出したやうにはたはたと団扇(うちは)づかひするか...
樋口一葉 「うつせみ」
...あっしゃ決心したんだ! 忠の野郎はたとえ水を飲んでも学校さあげねばなんねえ...
本庄陸男 「白い壁」
...「不徳はたとい人間の裁きのぼんやりとしてあやふやな眼はのがれても...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...或る日廊下(ろうか)にてはたとザシキワラシに行き逢(あ)い大いに驚きしことあり...
柳田国男 「遠野物語」
...言葉を次ごうとしていた呼吸も思わずはたと止ってしまった...
横光利一 「上海」
...それはたとえば何んと云えば良いだろう...
横光利一 「旅愁」
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