...はけ口のない苦しみを...
江戸川乱歩 「吸血鬼」
...情熱のもっとも直截(ちょくせつ)なはけ口が欲しかったのである...
太宰治 「猿面冠者」
...情熱のもつとも直截なはけ口が欲しかつたのである...
太宰治 「猿面冠者」
...ラデックの論文はドイツ・ファシズムの経済政策が如何に戦争にその最後のはけ口を求めねばならぬかを明らかにしている...
戸坂潤 「読書法」
...極端に貴族的な審美主義のはけ口であった...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...はけ口がございませんでは...
中里介山 「大菩薩峠」
...急にはけ口を得て迸(ほとばし)り出始めたような感じを周囲に与えておられた...
中谷宇吉郎 「寺田先生の追憶」
...偶々(たまたま)そのはけ口を座右の詩に求めたのかも知れない...
野村胡堂 「楽聖物語」
...必然この少年にそのはけ口を見出さざるを得なかつた...
北條民雄 「道化芝居」
...胸に漲(みなぎ)っていた心痛のはけ口を杉本に向け...
本庄陸男 「白い壁」
...もう母が此方を訓めることに依つて自らの鬱憤のはけ口にしたのかもしれない――などゝ邪(よこし)まな考へを抱いて苦く思つたりした...
牧野信一 「熱海へ」
...不満のはけ口を見出した...
水上滝太郎 「遺産」
...やはり気持のはけ口を求め...
宮本百合子 「刻々」
...胸中の欝屈のはけ口を見出し得ない焦立たしさに...
三好十郎 「斬られの仙太」
...手もなく溝のはけ口...
山本笑月 「明治世相百話」
...はけ口が無いのでひきとらずにゐると...
横瀬夜雨 「五葉の松」
...日和佐川のはけ口から...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...今ではそのはけ口が江戸表になっている...
吉川英治 「宮本武蔵」
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