...やがて嵩(かさ)んだ苦悩のはけ口が患者に向けられて...
大阪圭吉 「三狂人」
...彼女の壮大なる虚栄――はけ口のないロマンチシズムが立てこもる...
リットン・ストレチー Lytton Strachey 片岡鉄兵訳 「エリザベスとエセックス」
...そしてたうとう私は或るわびしいはけ口を見つけたのだ...
太宰治 「思ひ出」
...情熱のもっとも直截(ちょくせつ)なはけ口が欲しかったのである...
太宰治 「猿面冠者」
...興奮のはけ口をその場にい合せた相手に求める...
戸坂潤 「思想としての文学」
...ラデックの論文はドイツ・ファシズムの経済政策が如何に戦争にその最後のはけ口を求めねばならぬかを明らかにしている...
戸坂潤 「読書法」
...憂愁と憤懣の念が、また胸の中に湧き立って、はけ口を求める...
ドストエーフスキイ 米川正夫訳 「地下生活者の手記」
...心意の熱のはけ口を求めることである...
豊島与志雄 「現代小説展望」
...急にはけ口を得て迸(ほとばし)り出始めたような感じを周囲に与えておられた...
中谷宇吉郎 「寺田先生の追憶」
...偶々(たまたま)そのはけ口を座右の詩に求めたのかも知れない...
野村胡堂 「楽聖物語」
...必然この少年にそのはけ口を見出さざるを得なかつた...
北條民雄 「道化芝居」
...もう資本のはけ口も大ていつまったさうぢゃないかね」僕はあっけらかんとしてとう/\サヴェート同盟を東西から攻撃しはじめた二人を見守った「それでは」と僕は尋ねた「君らの僕に対する忠告に一口にいへばなんといってしかるべきだらう?」ばっと...
槇村浩 「長詩」
...不満のはけ口を見出した...
水上滝太郎 「遺産」
...異常な精力のはけ口を...
三宅周太郎 「中村梅玉論」
...胸中の欝屈のはけ口を見出し得ない焦立たしさに...
三好十郎 「斬られの仙太」
...女たちの精力のはけ口にし...
山本周五郎 「ちくしょう谷」
...手もなく溝のはけ口...
山本笑月 「明治世相百話」
...今ではそのはけ口が江戸表になっている...
吉川英治 「宮本武蔵」
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