...そしてたうとう私は或るわびしいはけ口を見つけたのだ...
太宰治 「思ひ出」
...情熱のもっとも直截(ちょくせつ)なはけ口が欲しかったのである...
太宰治 「猿面冠者」
...興奮のはけ口をその場にい合せた相手に求める...
戸坂潤 「思想としての文学」
...私を含めて)の性はどこにもはけ口がない...
外村繁 「澪標」
...従って彼等はどんな些細なはけ口でも...
外村繁 「澪標」
...心意の熱のはけ口を求めることである...
豊島与志雄 「現代小説展望」
...外へのはけ口を失って...
豊島与志雄 「死因の疑問」
...極端に貴族的な審美主義のはけ口であった...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...はけ口がございませんでは...
中里介山 「大菩薩峠」
...急にはけ口をもった清水のように...
中谷宇吉郎 「寺田寅彦の追想」
...胸に漲(みなぎ)っていた心痛のはけ口を杉本に向け...
本庄陸男 「白い壁」
...もう母が此方を訓めることに依つて自らの鬱憤のはけ口にしたのかもしれない――などゝ邪(よこし)まな考へを抱いて苦く思つたりした...
牧野信一 「熱海へ」
...池の水のはけ口を前に控へて...
牧野信一 「創作生活にて」
...もう資本のはけ口も大ていつまったさうぢゃないかね」僕はあっけらかんとしてとう/\サヴェート同盟を東西から攻撃しはじめた二人を見守った「それでは」と僕は尋ねた「君らの僕に対する忠告に一口にいへばなんといってしかるべきだらう?」ばっと...
槇村浩 「長詩」
...胸中の欝屈のはけ口を見出し得ない焦立たしさに...
三好十郎 「斬られの仙太」
...女たちの精力のはけ口にし...
山本周五郎 「ちくしょう谷」
...はけ口が無いのでひきとらずにゐると...
横瀬夜雨 「五葉の松」
...今ではそのはけ口が江戸表になっている...
吉川英治 「宮本武蔵」
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