...さうして「俺の云ふのはお前達を對手にした賣言葉ぢやないよ」と冷かに問題をはぐらかす...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...自分をはぐらかすような事はしまいと始終張り切ってばかりいたこれまでの心持ちと...
有島武郎 「或る女」
...」と、俯向(うつむ)けていた地薄な角刈(かくがり)の頭を擡(もた)げて、はぐらかす気か、汗ばんだか、手の甲で目を擦って、ぎろりと巽の顔を見た...
泉鏡花 「浮舟」
...――今度ゴロちゃんは可哀そうにはっきりと鮎子に振られてね……」話をはぐらかすように言ったが...
高見順 「如何なる星の下に」
...はぐらかすみたいにそう言って...
高見順 「いやな感じ」
...広巳はそれをはぐらかすために勢よく飯を掻(か)きこんだ...
田中貢太郎 「春心」
...無論科学の束縛をどうやったならばゴマ化してはぐらかすことが出来るかという興味からなのである...
戸坂潤 「思想としての文学」
...ひとをはぐらかすようなところがあって...
豊島与志雄 「牛乳と馬」
...はぐらかすようにいった...
久生十蘭 「三界万霊塔」
...そんなにまではぐらかすことはない...
久生十蘭 「三界万霊塔」
...はぐらかすように...
久生十蘭 「ノア」
...気の毒なもんだというんだ」とはぐらかす...
久生十蘭 「魔都」
...はぐらかすことなどもとより出来ない...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...はぐらかすようにニヤニヤして)チト怪しいぜ...
三好十郎 「好日」
...我々の精神の好奇心にああいう肉のついていない・うつろな骨片をかみしゃぶらせることによってこれをはぐらかすため...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...さも故意に評者の鋭鋒をはぐらかすためであるかのように思われるとすれば...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...おのぶは栄二の問いをはぐらかすように...
山本周五郎 「さぶ」
...肝心なところになるときまってはぐらかすんだから」「はぐらかしはしませんわ...
山本周五郎 「風流太平記」
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