...幼い時の自分のとも区別のつかないはかなさ悲しさがこみ上げるようにわいていた...
有島武郎 「或る女」
...父は老年にともすると付きまつわるはかなさと不満とに悩んでいるのだ...
有島武郎 「親子」
...あさはかなさるぢえだよ...
江戸川乱歩 「怪奇四十面相」
...何といふはかなさ...
種田山頭火 「一草庵日記」
...家いつぱいに昇る日をまともに郵便を待つ・たづねてくれるみちの草だけは刈つておく・郵便やさんがきてゆけばまた虫のなくすこし風が出て畳へちつてくるのは萱の穂・ひとりひつび(マヽ)り竹の子竹になる・うれしいこともかなしいことも草しげる・生きたくもない雑草すずしくそよぐやあをあをと竹の子の皮ぬいでひかる・竹の子竹となつた皮ぬいだ・竹の子伸びるよとんぼがとまる七月二日曇、酔覚のむなしさ、はかなさ、終日読書...
種田山頭火 「其中日記」
...うたゝ寝の夢のはかなさ...
種田山頭火 「其中日記」
...あなたのような危険な人間を如何ともすることの出来ない国家の法律というもののはかなさを思わないわけには行きません...
浜尾四郎 「悪魔の弟子」
...若し信ずるとせば君等の力のはかなさを感ずるであろう...
浜尾四郎 「彼が殺したか」
...なんともいえないはかなさがあった...
久生十蘭 「キャラコさん」
...人間の運命のはかなさを何か身にしみるように感じさせただけだった...
堀辰雄 「菜穂子」
...人間の運命のはかなさを何か身にしみるように感じさせただけだった...
堀辰雄 「楡の家」
...自分たち人間のはかなさをこんなに心にしみて感じていられるだけでよかった...
堀辰雄 「大和路・信濃路」
...人間の心のはかなさと見た...
宮本百合子 「幸福の感覚」
...いつの時にも人生のはかなさ脆(もろ)さをお感じになっておられる方のお言葉であったから...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...人生のはかなさを話題にして語る薫の言葉に時々答えて言う姫君の言葉は皆美しく感じのよいものであった...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...火葬の煙さえも多くは立たなかったのにはかなさをさらに感じて山荘へ帰った...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...はかなさ、脆(もろ)さ、弱さ、そういうものにもっとも美を感じ、風流洒落(しゃれ)のほかに生活はないと思ってきた...
山本周五郎 「新潮記」
...人生のはかなさを思わせるには十分であった...
和辻哲郎 「転向」
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