...人間のはかなさを描き出ずるのである...
内村鑑三 「ヨブ記講演」
...忍ぶ戀路はさてはかなさよ...
竹久夢二 「砂がき」
...というはかなさである...
太宰治 「斜陽」
...何といふはかなさ...
種田山頭火 「一草庵日記」
...無一文のはかなさ...
種田山頭火 「旅日記」
...さうした幸福はとても望むことの出來ないその身のはかなさ! 縋り附きたいにもその身ひとりで縋り附くことの出來ない悲しさ! これも生中に人並にすぐれて生れついた身の悲しさではないか...
田山花袋 「道綱の母」
...生きていることのはかなさ...
中井正一 「美学入門」
...旋律なく韻もなき言葉を以(も)て詩をつくらむとするはかなさは骨もなく鰭もなき海月(くらげ)の嘆か...
永井壮吉 「偏奇館吟草」
...その嬉しさに伴う一種のはかなさとを感じた...
夏目漱石 「行人」
...あなたのような危険な人間を如何ともすることの出来ない国家の法律というもののはかなさを思わないわけには行きません...
浜尾四郎 「悪魔の弟子」
...はかなさの底には...
林芙美子 「雪の町」
...私自身もそれを十分にして差し上げたい心を持っておりながら、ほかのことが多いものですから、そのうち私が本意を達する日が来れば、静かに私自身の手で冥福(めいふく)をお祈りしようと予定しているのですが、これも中途半端(はんぱ)な心でしょうね」などとお言いになって、人生のはかなさ、いとわしさをお語り合いになっているのであるが、まだどちらも出家するには御縁が遠いような盛りのお姿と見えた...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...「かくはかなさの身にしみては...
室生犀星 「荻吹く歌」
...翳に埋れ翳に支へられその階段はどこへ果ててゐるのかはかなさに立ちあがりいくたび踏んでみたことだらうものいはず濡れた肩や失はれたいのちの群をこえけんめいにあふれる時間をたどりたかつたあてもない歩みの遅速のままにどぶどろの秩序をすぎもはや美しいままに欺かれうつくしいままに奪はれてゐたしかし最後の膝に耐えこみあげる背をふせはげしく若さをうちくだいて未完の忘却のなかからなほ何かを信じようとしてゐた...
森川義信 「衢にて」
...(c)快楽のはかなさは特に誇張する必要はない...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...はかなさ、脆(もろ)さ、弱さ、そういうものにもっとも美を感じ、風流洒落(しゃれ)のほかに生活はないと思ってきた...
山本周五郎 「新潮記」
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横瀬夜雨 「べつ甲蜂」
...T氏に訪客と逢うことのはかなさを経験させたのは訪客自身であった...
和辻哲郎 「転向」
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