...遠くから葉子の心を翻す手段を講ずるようなのんきなまねがして済ましていられよう...
有島武郎 「或る女」
...のんきなことをいっている...
江戸川乱歩 「怪人と少年探偵」
...のんきなことをいって...
江戸川乱歩 「鉄塔の怪人」
...あの人はかういふ事には少しのんきな人だし...
鈴木三重吉 「桑の実」
...のんきな事を考へながら山を降りて來たら...
太宰治 「お伽草紙」
...青年の、のんきな質問に、異様な屈辱を感じて、ぐつと別な涙が、くやし涙が、沸いて出て、それでも思ひ直して、かなしく微笑んだ...
太宰治 「火の鳥」
...まさかつくりごとでもあるまい……』『さやうでございますね』『殿はのんきなことを言つて居られたけれども...
田山花袋 「道綱の母」
...彼のそののんきな様子を耳にとめたのでせう...
豊島与志雄 「エミリアンの旅」
...ほんとうにそんな目にあわせられたら彼らはのんきな詩や歌を作ったであろうか? ――孤児はまさしく罪なくして配所の月を眺めさせられている...
永井隆 「この子を残して」
...母と二人きりののんきな暮しである...
浜尾四郎 「殺人鬼」
...のんきなことを言っているんです...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...のんきな親方だ)と...
火野葦平 「花と龍」
...それなのにそれに気がつかずにのんきな男心はすましてゐる...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...さしも日頃のんきな老先生も...
牧野富太郎 「牧野富太郎自叙伝」
...こののんきな人々の群の中へ...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「餓えた人々(習作)」
...のんきな一日は、気持のいいところへとぐろをまいて本をよんでいて、たんのうしているというのが落ちかもしれないわね...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...往来はそれはのんきなもの...
柳原白蓮 「私の思い出」
...だから四谷見附で中学生らしい二人の子供をつれた紳士が、水筒と写真機とを肩にかけて、のんきな声で、「さあどっちから廻ろうかな」と言っているのをきいたときには、思わず撲(なぐ)りつけてやりたい衝動を感じた...
和辻哲郎 「地異印象記」
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