...と自分で思うほど一向な暢気(のんき)...
泉鏡花 「悪獣篇」
...帰って来た娘はもう肺がくさりかけだ工場での絶え間ない労働強化に体を痛め荒い野良仕事は出来そうにもない!見ろ!資本家(きゃつら)の死物狂いの重圧はくたばりかけの農村にまで襲いかかる産業合理化に押しひしがれわしら百姓がさらに背負わされる数え切れぬ苦労の山々!わしはあんまり暢気(のんき)すぎた遠いようで決して遠くない他人のようで自分のことだ農村から!そうだ...
榎南謙一 「農村から」
...のんきそうに世間話をつづけていらっしゃる...
太宰治 「斜陽」
...青年の、のんきな質問に、異様な屈辱を感じて、ぐつと別な涙が、くやし涙が、沸いて出て、それでも思ひ直して、かなしく微笑んだ...
太宰治 「火の鳥」
...隣の老人は二百石の家柄で暢気(のんき)に謡ひをうたつて暮して来た...
田山花袋 「朝」
...あの時分はのんきで好かつた...
田山録弥 「船路」
...のんきな歡樂のそこにあるらしいのが窕子にもわかつた...
田山花袋 「道綱の母」
...ぽかんとして女の話などをしている暢気(のんき)そうな顔が...
徳田秋声 「あらくれ」
...田舎(いなか)のものは呑気(のんき)なものだと云って笑っていました...
夏目漱石 「創作家の態度」
...ハンドバッグを調べたり」「まア」「お兄様は呑気(のんき)だから...
野村胡堂 「水中の宮殿」
...相変らず潔癖で呑気(のんき)で...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...小金などを廻して呑気(のんき)に暮している中年過ぎの男が踊りの師匠のところに出入するというのは腑に落ちませんが...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...のんきな画で恐縮と云っていました...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...私の気持も又のんきになりました...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...久しぶりでのんきな気分で空気のよさ感じます...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...どうやら暢気(のんき)にくらすようになりました」嫁を貰えと...
山本周五郎 「赤ひげ診療譚」
...しばらくのんきに暮していたが...
吉川英治 「江戸三国志」
...世界のすみにあって戦争の苦しさをのんきに傍観している浅薄な国民だけだろう...
和辻哲郎 「世界の変革と芸術」
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